独メディアのドイチェ・ヴェレは14日、同国のオラフ・ショルツ首相が中国に「真の市場開放」を呼び掛けたと伝えた。

シンガポールを訪問したショルツ氏は14日、同国のリー・シェンロン首相とシンガポールで会談した後、「われわれは、真の市場アクセス、市場経済への発展、知的財産権の尊重と、それに参加する企業への公平な投資条件の提供を求める」と述べ、中国にさらなる市場開放を呼び掛けた。

ショルツ氏はこれに先立ち、ドイツ企業のアジア太平洋会議で演説し、中国以外のアジア諸国との経済関係を拡大すると言明。インド、インドネシア、豪州と欧州連合（EU）の自由貿易協定（FTA）を早期に締結すると表明したほか、「EUは他の合意についてもオープンだ」と強調した。

また、中国がドイツにとって重要な貿易・経済パートナーであり続けることは間違いないとしながらも、「これはドイツ・中国双方の状況に左右される」と指摘。ドイツは原材料の購入などにおいて依存性を低減しなければならず、そのためには他国との貿易拡大が必要だと述べた。一方で、中国経済のデカップリング（切り離し）には改めて反対の立場を示し、「こうした考えは形を変えた保護主義。何のメリットもない」とした。

ショルツ氏はこのほか、先日訪中した際に人権問題や台湾問題にも言及したと強調し、「アジア太平洋地域は中国だけではない。ドイツは同地域への関与を強化する」とも述べた。（翻訳・編集/北田）

Welcomed German Chancellor @olafscholz to the Istana tdy. Faced with geopolitical & economic uncertainties, like-minded partners such as Singapore & Germany will continue to strengthen our cooperation with each other, & on the regional & global stage.– LHL https://t.co/54RNaPSH0q pic.twitter.com/ah8PQu8e3z

— leehsienloong (@leehsienloong) November 14, 2022