2022年11月15日、韓国・聯合ニュースは「江原（カンウォン）道の高校で、生徒たちが集団で体罰を受けていたことが分かり物議を醸している」と伝えた。

記事によると、大学進学率が江原道でも上位に入る名門校・公立A高校で7日午後2時20分ごろ、他の生徒たちが見ている中、約30人の生徒が腕立て伏せのような体勢を取らされる体罰を受けた。生徒らは1～3学年の学級委員長と副委員長で、ボランティア活動に不備があったことが理由だったという。この様子を目撃した生徒たちが驚き、A高校コミュニティサイトに写真を載せ、教師の高圧的な体罰を批判した。一部の生徒は江原道教育庁のウェブサイト上にある苦情窓口に、この件を告発したという。

目撃した生徒たちは、体罰は10分以上続いていたと主張しているが、学校側は「担当教師が1分ほどこの体勢でいるよう命じただけ」だとしている。A高校のある生徒は「学校の雰囲気は高圧的で一方的。生徒の自律性を尊重してくれない。このようなことが二度とあってほしくない。学校の雰囲気が変わってほしい」と話している。

この体罰が問題となった後、A高校コミュニティサイト上の写真などは全て削除された。教育庁への告発の書き込みも取り下げられた。書き込みをした生徒は「教育庁から、学校の監査を行う予定なので削除してほしいと要請された」と話しているという。

騒ぎを受け、A高校はこの件を児童虐待（自動福祉法違反）の嫌疑で通報した。市庁と警察が調べを進める予定だという。同校の校長は「事実関係を調べたところ、実際にこの体勢を取らせたのは1分ほどだった。体罰を見ていた生徒らは不満げだったが、体罰を受けた生徒らは問題提起していない。担当教師は言葉で伝えればいいことを行動で示したことを後悔している」と話している。また、教育庁関係者は「児童虐待についての調べが進んでおり、結果が出たら懲戒委員会を開く予定だ」としているが、「生徒に教育庁サイトへの書き込みを削除しろと言ったことはない」と話しているという。

この問題はA高校コミュニティサイト以外にも公開されており、ネットユーザーから批判の声が上がっている。

一方、この件をめぐり「体罰は間違った行為だが、問題に対応する前に生徒がネット上に書き込み当局に告発するという行為は、教権（教員の教育権と権威）を萎縮させかねない」とする懸念も上がっている。校長は「ささいなことでも学校と話をせず告発するケースがあり、是正が必要だと思われる」と話しているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「1980～90年代でもあるまいし」「口で言えば分かること」「この体勢はつらすぎる」などの声が上がっている。

一方で「殴ったわけでもないし、このくらいの罰でこんなに騒ぐ？」「これは体罰とまで言うレベルじゃないと思う」「何か悪いことをしたなら、この程度の体罰はありじゃないか？」「この程度も認められないなら、どうやって規律を引き締め教育しろというのか」「体罰が禁じられてから学校は荒れたからね」「このくらいしないと子どもたちは言うことを聞かない」「問題児には体罰も必要だ」「この中に自分の子がいたとしても、自分は教師を応援する」など、「この程度の罰は必要だ」と容認する声も多数見られた。（翻訳・編集/麻江）