Record China 2014年7月1日(火) 15時49分
拡大
6月30日、多くの人の予想を裏切り、ブラジルW杯決勝トーナメント第1戦のブラジル対チリでは過酷なPK戦が展開された。神がかった活躍をみせたGKとゴールポストにより、開催国のブラジルは僅差でチリを下しベスト8入りを果たした。資料写真。
(1 / 2 枚)
2014年6月30日、多くの人の予想を裏切り、ブラジルW杯決勝トーナメント第1戦のブラジル対チリでは過酷なPK戦が展開された。神がかった活躍をみせたGKとゴールポストにより、開催国のブラジルは僅差でチリを下しベスト8入りを果たした。南京日報が伝えた。
【その他の写真】
サッカーの試合で最も過酷な戦いであるPK戦は、シュートの技術を競っているように見えるが、実際には精神的なプレッシャーが最大の試練となる。心臓の弱いプレイヤーにとって、PK戦は処刑台に立つように苦しく耐え難いものだ。29日未明のPK戦では、計10回のうち5回しかシュートが決まらず、成功率はわずか50%となった。
PK戦では、どのようなシュートが決まりやすいのだろうか?FWとDF、ベテランと新人の成功率はどちらが高いのだろうか?ここからは科学者の研究とビッグデータ分析により、PK戦の秘密に迫ることにしよう。
◆0.5秒でゴール、GKの反応時間は700ミリ秒
PKは、キッカーとゴールキーパーが1対1の状態で、ゴールまで約10.97mの地点にボールを置いて行われる。すべてのプロ選手にとって、これは最も有利な位置である。ボールを蹴る側も守る側も、PKでゴールを阻むのは難しいことを認めている。GKの反応時間では、ゴールの広い面積を覆うことができない。
サッカーのゴールは幅7.32m、高さ2.4mで、コンテナよりも大きい。PKのシュートの速度は時速112kmほどに達し、0.5秒内にゴールネットを揺らす。つまりGKには非常にわずかな反応時間しか残されない。GKがボールの方向を判断し飛びかかるためには1秒弱の時間が必要で、その時にはすでにゴールが決まっている。
そのためGKは相手がボールを蹴る前から動き始める。つまりどちらに蹴られるかを予想するのだ。優れたGKには高い判断能力があるが、ゴールを阻むためには運も必要だ。2010年の南アフリカW杯で、GKの予想的中率は57%に達したが、体を動かすのに時間が掛かるため、22%のボールしか阻めなかった。
◆精神力が勝敗を左右
PKは簡単に見えるが、W杯という大舞台では、目の前のゴールにシュートを決めるのは容易なことではない。ドイツの元キャプテンのミヒャエル・バラックは、「PKで最も重要なのは技術ではなく、精神力が80−90%を占める」と語った。
イングランドはサッカー界で最も有名な、「PK弱者」だ。彼らは精神力が弱いことから、「ガラスの心」と呼ばれている。イングランドは1990年から現在までの6回のW杯で、PK戦に敗れている。彼らのシュート成功率は、フリースローが苦手だった元NBA選手、シャキール・オニールの成功率にも及ばない。
イングランドの伝説的FW、アラン・シアラーは現在もPK前の葛藤を忘れられない。「PKになると体がこわばり、心拍数が普段の100倍になる。試合前に何度練習しても、あの瞬間になると真っ白になってしまう」。
心理学者は「PK弱者」について、「PKの際に多くの選手はGKに注意を向け、その体の動きを観察することでどちらに移動するかを判断する。しかし研究によると、こうする必要はあまりない。選手はGKを観察しようとするほど緊張し、ミスを犯しやすくなるからだ」と指摘した。
◆成功率は右上が最高
それでは最も成功率の高いエリアはどこだろうか?W杯のPK戦のデータを分析すると、ゴールを9つのエリアに分けた場合、蹴る側から見て右上が最も成功率の高いエリアとなる。W杯のPK戦で、このエリアの成功率は88%に達する。成功率が最も低いのは真上で、55%のみだ。
一般的にはFW・MFのシュートの方がDFより優れているが、PK戦ではそうとは限らない。W杯の歴史における339回のPK戦において、FWの成功率は83%と最高で、DFは74%で2位となった。最も頼りないのはMFで、成功率は71%だ。前回のPK戦で、ブラジルの先制点を決めたのはDFのダヴィド・ルイスであったが、両チームの5回のミスのうち4回はFW・MFによるものだった。
データによると、蹴る選手の年齢によって、命中率に大きな差が生じる。W杯の歴史において、31歳以上のベテラン選手の成功率が最も高く、81%(54回中44回)となっている。18−24歳の若手も、79%(100回中79回)と悪くない結果だ。これと比べ25−30歳の選手は雑念が最も多く、成功率が71%(207回中147回)のみとなっている。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)
この記事のコメントを見る
Record China
2014/7/1
2014/6/30
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る