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サッカー日本代表のお辞儀から見える「菊と刀」の世界、長友の涙が意味するものとは―中国メディア

Record China    2014年7月2日(水) 5時40分

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1日、このほど行われたブラジルW杯コートジボワール戦の試合会場アレナ・ペルナンブーコで、試合に負けた日本代表の選手たちは試合終了後、日本のサポーターに向けて深々とお辞儀をし、謝罪と感謝の気持ちを示した。

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2014年7月1日、サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会で敗戦後、スタジアムのごみを拾う日本人サポーターのニュースが中国のインターネット上で大きな話題となった。これに対し、日本問題専門家の復旦大学教授は、「恩に感謝すること。日本が第2次世界大戦後の廃墟の中から経済・社会面で大躍進し、世界の強国に復興したことは、このことと密接な関係がある」と述べた。新民晩報が伝えた。

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コートジボワール戦の試合会場アレナ・ペルナンブーコで、試合に負けた日本代表の選手たちは試合終了後、日本のサポーターに向けて深々とお辞儀をし、謝罪と感謝の気持ちを示した。実は、この一幕に感動させられたのは日本人だけではなかった。中国のネットユーザーが中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で、「愛国とは過去の過ちに対して怒ることではなく、自己を正視することだ。それは、他国の優れた点を学ぶことでもある。サッカー日本代表チームの品位は学ぶに値するものだ」と投稿した。非常に誠意ある意見だ。

ブラジルW杯が始まる前、日本代表は自信たっぷりの様子を見せていた。日本の国民も日本代表に注目し、極めて大きな希望を託していた。英国のメディアが実施した調査によると、ツイッター上でW杯についてコメントしたユーザーのうち全体の37%が日本のもので、世界で1位だった。それに次ぐ2位は英国だったが、わずか11%に過ぎなかった。恐らくこういった背景もあって、日本サッカー界のスター選手である香川真司は試合後に次のように語った。「会場全体が日本を応援してくれていたのに申し訳ない気持ちでいっぱいだ」。

この「申し訳ない」という言葉は単なる謝罪の言葉だろうか?この言葉には、「恩に感謝すること」という日本文化の特徴的な要素が反映されている。日本が第2次世界大戦後の廃墟の中から経済、社会を急速に発展させ、世界の強国に復興したのは、このことと密接な関係がある。

日本文化を語る上で避けて通れないのは米国の文化人類学者ルース・ベネディクトの日本人論「菊と刀」だ。この本の第5章には、「過去と世間に負目を負う者」という見出しがつけられている。ルース・ベネディクトの論説によると、日本人は恩に報い、感謝することを非常に重視し、また感謝する対象は明確で、幅広く、具体的だという。実際、日本人の観念によると、人と人との間には恩恵を与える人と、恩恵を受ける人という必然的な関係性が存在する。恩情は一種の債務であり、必ず返さなくてはならない。恩を知り、それに報いるのは人が必ずやり遂げなければならない義務なのである。

日本人は社会は人からなるものであることを非常に明確に理解している。「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の言葉によると、「自分が手にする富が増えれば増えるほど、社会の助力を受けているのだから、その恩恵に報いるため、できるかぎり社会のために助力しなければならない。国や社会を忘れることは下等動物との差異がないことだ」とある。このように、日本代表チームがお辞儀をするという行為は、サポーターの期待に応えられなかったことを誠実に謝罪するだけではなく、サポーターに対する深い感謝の気持ちを示したもので、これこそが日本文化を象徴するものだ。

このため、広い意味で言うと、恩に感謝することは日本の核心的な価値観の1つと言える。東京のJR渋谷駅前にある忠犬ハチ公の銅像がこの文化を体現している。日本経済が躍進する中で生まれたパナソニックの創業者・松下幸之助の経営哲学にも、企業は貢献してくれた職員に感謝すべきであり、職員もまた自分の人生の発展に寄与する会社に対して感謝すべきであるという献身の重要性を強調している。

日本サッカーのサポーターのこういった品位にも、同様に文化的記号が現れている。ルース・ベネディクトの「菊と刀」では、日本文化は西欧的な「罪の文化」とは対照的に「恥の文化」であると定義している。簡単に言うと、西欧の人々は主に絶対的な道徳観を持ち、内面的な罪の自覚に基づいて行動を律している。それは、カントの次の言葉にも見て取れる。「我が上なる星空と、我が内なる道徳法則、我はこの二つに畏敬の念を抱いてやまない」。一方の日本人は他人の目線を自分たちの行動の規範とする。ルース・ベネディクトの論説によると、「恥を感じることは日本人の生活において非常に重要であり、いずれの日本人も社会が自分の行動に対する評価に対して非常に注意を払う」という。

このため、「人に迷惑をかけてはならない」というのが日本人の基本的な行動基準となる。スタジアムに残されたごみを拾うという行動もまた他の人に迷惑をかけてはならないということから来ている。しかし、日本にはこれに反する「旅の恥はかき捨て」ということわざもある。この意味は、知らない人の場所ではこの規則を守る必要性はないということだ。これもまた、日本人のスキャンダルのほとんどが家の外で起こっていることと関係があると説明できるだろう。

残念なのは、日本代表がブラジルで示した日本文化の象徴である「深く恥じ入ること」や「恥の意識」が、日本が過去に犯した侵略の歴史を深く認識したり、誠実な謝罪をするという面で示されないことだ。このような日本人の「選択性」について、考えさせられる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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