Record Korea 2022年11月30日(水) 20時0分
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29日、中国経済網は、韓国の家計債務が、「天然ダム」のように韓国経済全体に悪影響を及ぼす危険要素かもしれないと評した。写真は韓国。
2022年11月29日、中国メディアの中国経済網は、今年第1四半期の短期外債比率が38.2%を記録するなど、企業財務の健全性が大きく向上した韓国経済において、家計債務の問題が韓国経済の安定を抑制する危険要素かもしれないと評した。
記事は初めに国際通貨基金(IMF)の今年第2四半期のレポートや国際決済銀行(BIS)が公表したデータなどを引用し、「韓国の民間負債の対国内総生産(GDP)比は173.6%を記録した。民間負債の中核にあるのは家計債務」「昨年の韓国の家計債務の対GDP比は105.8%で、名目GDPより5.8ポイント高いことを意味する」「この数値を他国と比較すると、米国(78%)や日本(68.8%)、ドイツ(56.8%)よりも高く、比較対象の43カ国中で第4位」「韓国中央銀行も家計債務の問題を注視しており、増えた借金が資産市場に流れ続ける中で、急にバブルが崩壊するような強い衝撃が発生すれば、家計や企業の信用損失は66兆8000億ウォン(約6兆9641億円)に達する」「米連邦準備制度理事会(FRB)の緊縮政策が長期化し、韓国が基準金利を早めに引き上げた背景の下、家計債務は韓国経済に現れた巨大な『天然ダム』であり、いつでも経済全体への悪影響を及ぼす恐れがある」と論じた。
続いて記事は、韓国の家計債務統計について、「国際決済銀行(BIS)が公開したデータによると、今年第1四半期までの家計債務は2213兆7000億ウォン(約230兆8249億円)で、韓国中央銀行の統計値よりも344兆3000億ウォン(約35兆9050億円)高くなっている」「この差額は、韓国中央銀行が『事業投資』に分類している個人商店の負債をカウントしているからだ」「さらに大きな問題として、韓国特有の家賃制度『チョンセ(毎月の家賃の代わりに住宅価格の約7割の保証金を一括前払いする制度)』が統計の死角になっている」と指摘した。
記事では「チョンセ」と賃貸契約をめぐる状況について、「チョンセは契約終了とともに家主が住人に全額返済しなければならない負債で、昨年末までに総額995兆8000億ウォン(約103兆8755億円)が動いている計算になるが、私的金融という理由で公式統計には反映されていない」「最近は不動産価格の高騰の影響で、チョンセのシステム自体の継続が難しくなりつつある。当局の統計によると、チョンセによる賃貸契約は2011年には75.7%を占めていたが、22年には「ウォルセ(毎月家賃を払う制度)」が50.3%に達し、チョンセを上回った。住宅価格が急騰して、チョンセの保証金を用意する事が難しくなった」「チョンセは保証金を受け取った家主が運用で十分な収入を得られることが大前提だが、貯蓄性金利が10%を超えていた1996~98年の頃と比較すると、現在は十分な利息収入が得られず、チョンセの保証金を返済することができない家主が問題になっている」「最近では家主が住人を引き留めるため、家主から住人に一定の金額を支払う『逆家賃システム』のような奇妙な現象も起きている」と紹介した。
記事は最後に「仮にチョンセを統計に反映させた場合、韓国の昨年の家計債務総額は3187兆5000億ウォン(約332兆7511億円)となり、家計負債の対GDP比は153.9%となり、統計上の調査対象43カ国中で首位になる」と説明した。また、専門家の意見として「将来金利がさらに上昇すれば、家計債務の問題はより顕著になるだろう。政府は家計負債の統計方式を改め、危機判断能力を強化するとともに、民間金融の健全化を拡大する補償対策を積極的に制定する必要がある」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)
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