サウジが中国との関係強化、米国の意向を尻目にファーウェイとも大規模協定を締結

Record China    2022年12月12日(月) 9時0分

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サウジアラビアが中国との関係を強化している。米国が同盟国に対しても排除を呼び掛けているファーウェイとも、デジタルシティーの建設など多くの事業についての覚書を交わした。写真は同国首都のリヤドの風景。

習近平国家主席は7日にサウジアラビア公式訪問を開始した。主たる目的は第1回中国-アラブ諸国首脳会議や中国-湾岸協力会議(GCC)諸国との首脳会談への出席などとされたが、サウジアラビアがそれ以外にも中国との関係強化に積極的に乗り出していることが注目された。

サウジ側は習近平主席の来訪に際して、戦闘機を飛ばしての主席専用機の護衛や騎馬部隊による出迎えなど、極めて高い礼遇で歓迎した。米国は「安全保障上の脅威」を理由に同盟国に対してファーウェイとの取り引きをしないよう圧力をかけているが、サウジ政府は、ファーウェイとデジタルシティー、クラウドコンピューティング、ハイテク複合施設の建設に関する合意覚書を8日に交わしたことを明らかにした。ファーウェイがサウジ国内にデータセンターを建設するとの見方もある。

11月にも、サウジの通信会社がファーウェイと共同でスーパーリンクの世界初の商用イノベーションを完成させ、郊外における5Gの導入速度を大幅に向上させた。サウジはファーウェイと人材育成や5Gスマート港湾の建設などでも提携している。サウジは2019年から5Gネットワークの大規模な建設に取り組んできた。ファーウェイなど中国のハイテク企業はその重要なパートナーだ。

サウジの重要国策である「2030ビジョン」の一部である5000億ドル(約68兆円)を投じる予定の未来型都市「ネオム」の建設でもファーウェイは重要な参加者であり、基幹伝送ネットワーク、クラウドサービス、人工知能(AI)などのプラットフォームの構築に協力している。

サウジがファーウェイなど中国企業との密接な関係を続けていることについては、いくつかの理由が指摘されている。まず、同国の「ビジョン2030」は、エネルギー資源への依存から脱却して多元的な経済構造を実現させることを、大きな目的とする。そのためには、デジタル経済を構築することが必要だ。一方の中国は、世界におけるデジタル経済の「けん引役」の一つであり、同時に広大な国際市場を必要としている。つまり中国とサウジは技術導入において利益が一致する天然パートナーと言える。

サウジだけでなく、19年以降にはGCC諸国の通信会社の多くがファーウェイと5G関連の契約を締結している。中国側が打ち出した「デジタルシルクロード」は、湾岸地域でデジタル化のための強力な推進力になった。サウジや周辺諸国にとって、中国と関係構築は「なりゆき」によるものではなく、腰を据えた戦略的協力だとの指摘もある。

また、サウジが米国の意向を顧みずに中国との協力を堅持していることは、外国との関係構築において、独立自主の原則を堅持することであり、外部からの干渉で方向性を変更することはしない考えに基づくとの見方もある。大国と大国の対立が発生した場合にもどちらかの陣営に加わることは望まず、自国の経済と安全保障を優先する方針でもある。

英シンクタンクの国際戦略研究所(IISS)のハッサン研究員は、湾岸諸国などは発展の遅れた「南の国」に含められてきたが、現在は「より自信を持ち、より有能になり、自らの利益を追求するようになった。これは完全に理性的なことだ」と述べたという。

ファーウェイだけでなく、習主席のサウジ滞在中には、サウジ政府は自国のグリーンエネルギー、情報技術、クラウドサービス、交通、建築などさまざまな分野における34件の投資協定を中国側と交わしたことを明らかにした。

前出の未来型都市「ネオム」についてはファーウェイだけでなく、中国鉄建国際集団や中国建築などの中国企業も、重要な建設工事に参画している。「ネオム」は環境に負荷をかけない「グリーン都市」として建設されているが、中国企業は環境関連技術でも、大いに貢献しているという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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