2022年12月15日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、新型コロナの感染が急拡大している中国で、当局が正確な感染者の把握が困難であることを認めたと報じた。

記事は、中国国家衛生・健康委員会が14日、同日より無症状感染者のデータ発表を行わないことを発表したと紹介。国務院の感染症予防コントロール組織が同日午後に記者会見を実施した際に、記者から「中国当局の発表する新規感染者データは減少傾向にあるが、市民の感覚と一致していないのはなぜか。無症状感染者データの発表を止めたのはなぜか」との質問が出たと伝えた。

そして、中国疾病コントロールセンター応急センターの李群（リー・チュン）主任が「新型コロナ対策を調整したことで、各地方で全員を対象としたPCR検査を実施しなくなり、全国の医療機関からの報告データも減った。さらに、無症状感染者と軽症者が在宅で隔離、治療を行うようになったことで、これらの人の数がデータに入らなくなった」と公式発表の感染者数が減少した背景を説明、正確に無症状感染者の実際のデータを把握することはもはや難しくなったため、データの発表を止めることにしたと述べたことを紹介している。

記事は、長期にわたり新型コロナ感染予防の厳しい規制政策を取ってきた中国が先週、突然方針を転換して規制を緩和したところ感染者が急増し、パニックを引き起こしていると紹介。北京市では新型コロナ発生以降経験したことのないペースで感染者が急増しており、SNS上では続々と感染を報告する市民が現れ、一部の企業では従業員の90％近くが出勤できない状況になっていると伝えた。また、感染の拡大に伴い医療機関の病床や医療資源の不足に対する懸念が広がっており、解熱剤を競って購入する状況がすでに発生しているとした。（翻訳・編集/川尻）