王毅氏が中国共産党の外交部門トップに就任、「縁の下の力持ち」と表明

Record China    2023年1月2日(月) 8時50分

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中国の駐日本国大使や外相の経歴がある王毅氏が、中国共産党の外交部門のトップに就任した。王主任は習近平国家主席が行う首脳外交にとっての「縁の下の力持ち」に徹することを強調した。

中国の駐日本国大使や中央政府・外交部部長(外相)の経歴がある王毅氏が、中国共産党の外交部門のトップである同党中央外事工作委員会弁公室(中央外弁)主任に就任したことが分かった。王氏は新たに発表した文章で、「首脳外交に全力で奉仕する」などと、習近平国家主席が行う首脳外交にとっての「縁の下の力持ち」に徹することを強調した。

中国外交部が公式サイトに1月1日で掲載した、中国共産党の理論誌「求是」の2023年第1号に掲載される王氏が執筆した「民族の復興を志し、人類の運命を胸に中国の特色ある大国外交の新たな征途にまい進する」と題する文章に、「中央外弁主任」の肩書を使われていたことで、王氏の同役職就任が明らかになった。

中国の外交は、国家主席を兼任する中国共産党総書記が大方針を定め、中央外弁がその大方針を整理し、政府機関である外交部が実務を遂行するとされる。中央外弁の王主任は、中国で外交政策を決定する2番目の地位に立ったと考えられる。

また、政府上層部の階層も日本とは異なる。中国中央政府である国務院においては、外交部などの「部」や国家発展改革委員会などの「委員会」があり、それぞれのトップである部長や委員会主任が、一般には「閣僚」とされている。ただし、首相や副首相の下には数人の「国務委員」がおり、日本の閣議に相当する会議に出席することが定められているのは国務委員以上の役職なので、事実上は「国務委員」以上が閣僚に相当するとの指摘がある。各国務委員には、担当分野が定められている。

王氏は2013年3月から22年12月30日までは外交部長で、18年3月からは現在も、外交分野担当の国務委員の地位にある。つまり、王氏は政府においても外交分野では習近平国家主席に次ぐ地位にある。なお、王氏は22年12月30日付で外交部長を退任し、同日付で外交部報道官や駐米国大使などの経歴がある秦剛氏が外交部長に就任した。

王氏は執筆した「民族の復興を志し、人類の運命を胸に中国の特色ある大国外交の新たな征途にまい進する」の文章中で、23年は中国共産党が22年に開催した第20回代表大会の精神を貫徹するためのスタートの年だと表明した。さらに具体的には、「四つの意識(政治意識、大局意識、中核意識、従う意識)」を強化し、「四つの自信(中国の特色ある社会主義の道の自信、理論の自信、制度の自信、文化の自信)」を堅持し、「二つの維持(習近平総書記の党の中核としての地位の維持、党中央の権威と集中統一指導の維持)」を実施して、新時代の中国の特色ある外交に新たなページを書き加えると論じた。

また、外交面においては、「国家指導者の外交と中心業務に全力で奉仕し保障する」などとして、習近平主席の方針を支える「縁の下の力持ち」として働くことを強調した。

個別の国家や地域との関係構築については、ロシアとは「戦略的相互信頼と互恵協力を深化させ、両国の全面的戦略協力パートナーシップを固める」、米国とは「中米首脳が合意した共通認識を実行に移し、中米関係の指導原則の確立を検討し、針路を修正する」、欧州とは「ハイレベルの往来と戦略的意思疎通を緊密にし、中国と欧州の関係が長期的に安定的に推移するよう推進する」と論じた。(翻訳・編集/如月隼人

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