2022年「中国で最も高く評価された書籍」で総合第1位と3位は日本の書籍

Record China    2023年1月22日(日) 18時30分

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2022年における書籍の評価ランキングの「豆瓣読書」で、「往復書簡 限界から始まる」の翻訳版(写真)が総合第1位に選ばれた。第3位も日本の書籍の翻訳版だった。写真は「始于極限」。

中国の大手ソーシャル・カルチャー・サイトの豆瓣(ドウバン)はこのほど2022年における書籍の「豆瓣読書」で、「始于極限」を総合第1位に選んだ。同書は日本で出版された社会学者の上野千鶴子さんと作家の鈴木涼美さんによる「往復書簡 限界から始まる」の中国語訳本だ。第3位にはジャーナリストの清水潔さんが著した「殺人犯はそこにいる——隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」を中国語訳した「足利女童連続失踪事件」が選ばれた。

「豆瓣読書」は、同サイトへの投稿に基づき、読者による評価と読者人数などに基づき、それぞれの書籍に点数を与えてランキングする方式だ。

中国では上野さんと鈴木さんについて、著名なフェミニストの先駆者であり、最も反逆的作家として有名と紹介されている。「往復書簡 限界から始まる」は恋愛と性、結婚、男、仕事、独立など12のテーマについての往復書簡を掲載した書物だ。

中国人からは、「最初は二人とも多少は体裁を気にしていると思った。しかし上品な書簡のやり取りはフェンシングの試合であり、真剣勝負だった。二人とも相手の痛いところを突いた」と、双方が全力を尽くした意見のぶつけ合いをしたとの評価も寄せられた。

また、フェミニズムについては、一般的な知識が披露されているだけでなく、鈴木さんの「母権に対する反抗」や、上野さんの「未婚ならば妊娠は不可」の考え方に対する反抗など、二人の成長の軌跡が見て取れるとの指摘もある。

また、「確かに素晴らしい本だ。その素晴らしさの多くは、鈴木涼美さんから来ている。彼女は本当に誠実で、彼女の鋭敏さと困惑の全てに、私はとても感嘆した。今年読んだ文学作品の中で最も純朴な1冊だった。私は非常に多くを考えさせられた。鈴木さん、あなたはこの本に心血を込めたのですね。あなたとあなたの経験に感謝します」と、鈴木さんを高く評価するコメントも寄せられた。

「豆瓣読書」は、中国文学(小説部門)、中国文学(非小説部門)、外国文学(小説部門)など多くのカテゴリーを設けているが、女性の視点で書かれた「如雪如山(雪の如く山の如く)」が中国文学(小説部門)で第1位、総合ランキングでは8位になった。さらに、オーストラリア人哲学者のケート・マンさんの「男性の特権が女性に与える影響」やフェミニズムの立場で執筆を続ける英国人作家のキャロライン・クリエイド・ぺレズさんの「存在しない女たち」など、女性について考えさせる書籍が多く上位入賞したことも特徴的だった。

「足利女童連続失踪事件」

なお、「豆瓣読書」の上位10位までには、中国人の著作が5冊、中国人以外の著作が5冊選ばれた。同じ国の著作の翻訳版が複数がランクインした国は、「往復書簡 限界から始まる」と「殺人犯はそこにいる——隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」が選ばれた日本だけだった。中国では日本の書籍が盛んに翻訳出版されており、愛読者も多い。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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