<サッカー>韓国代表選手「日本がうらやましい」の意味、日韓はここが違う!―香港メディア

Record Korea    2023年1月26日(木) 13時0分

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香港メディアの香港01は25日、サッカーの韓国代表FWチョ・ギュソンの「苦境」に日韓の違いが見て取れるとの記事を掲載した。写真は韓国のサッカーファン。

香港メディアの香港01は25日、サッカーの韓国代表FWチョ・ギュソンの「苦境」に日韓の違いが見て取れるとの記事を掲載した。

記事はまず、「先日のワールドカップ(W杯)カタール大会ではアジア勢の活躍が目立ち、香港人にとって関心の高い日本と韓国が特に話題になった」と説明。「韓国はソン・フンミンキム・ミンジェファン・ヒチャンイ・ガンインら優れた選手を擁しているが、平均的な実力では日本の方がはるかに安定している」と指摘した。

その上で、カタール大会でブレークしたチョ・ギュソンについて、「海外移籍がかなわず全北現代モータースに残留する可能性が出てきたため、ファンは失望している」とし、「韓国代表のチーム状況、そしてチョ・ギュソンの苦境は、キム・ミンジェがW杯後に語った言葉とピタリと合致している」と評した。

キム・ミンジェの日本への羨望

キム・ミンジェはW杯後、所属チームのあるイタリアに戻る際、韓国代表監督を退任したパウロ・ベント監督が今後欧州クラブの監督になった場合、韓国代表選手を迎え入れるのではないかとの質問に「もちろんそうなればいいが、簡単ではない。(韓国の)クラブと相談しなければならない。クラブは高い移籍金を要求することが多い」とし、「一言言わせてもらえるなら、欧州のクラブから韓国選手にオファーが来たら行かせてあげてほしい。正直、日本がうらやましい」と述べた。

キム・ミンジェは2019年に525万ユーロという破格の移籍金で中国スーパーリーグの北京国安に移籍した。これは一般的な欧州クラブが支払う金額よりもはるかに高い。その後、トルコのフェネルバフチェに移籍した後、22年7月にイタリア・セリエAのナポリに移籍、アジア人初の同リーグ月間最優秀選手賞を受賞するなど活躍している。

キム・ミンジェは「(4年後のW杯では)欧州で活躍する韓国人選手が増えていることを願っている。韓国のレベルが高くないとは言わないが、日本から欧州に渡る選手がますます増えていて、彼らのポジションは相対的にわれわれよりも有利だ」とし、「代表チームが誰によって率いられるかはもちろん重要だが、選手が監督の戦術を遂行できるための十分なレベルを備えているかも、同じように重要だ」と指摘した。

記事は「彼のこの言葉は賛否両論を巻き起こしたが、すぐに忘れ去られた。そして最近、チョ・ギュソンの移籍が暗礁に乗り上げると、再びファンやマスコミに取り上げられることとなった」と伝えた。

「チョ・ギュソンを解放せよ」

チョ・ギュソンは昨年6月に兵役を終えたばかりの24歳。当初はその整った顔立ちから注目を集めたものの、188センチの長身を生かしたポストプレーやガーナ戦での2ゴールなどがきっかけで、海外クラブからの注目が高まった。報道によると、W杯後にはドイツ・ブンデスリーガのマインツや、スコットランドリーグのセルティックなど、少なくとも3チームが300~600万ユーロのオファーを出したと言われる。セルティックが最も熱心だったと伝えられるが、チョ・ギュソン自身はマインツに好感を示していたという。

しかし最近、全北が「チョ・ギュソンは夏の移籍市場までチームに残るだろう」とし、チョ・ギュソンがチームのスペイン合宿に合流したことを複数の韓国メディアが報じた。ただ、冬の移籍市場は今月末まで開いている。チョ・ギュソン本人は「結局のところ冬に移籍した方がいいのか、夏に移籍した方がいいのか。冬は(欧州がシーズン中のため)適応が難しいという問題があるが、夏になったらチャンスがなくなるのではという懸念がある。すべては選択にかかっていて、自分の決定に責任を持たなければならない」と語った。

記事は「チョ・ギュソンは移籍する意思を示しているように見える中、チームが残留を示唆したのはなぜだろう」とした上で、韓国メディアの報道を基に「全北のテクニカルディレクターを務めるパク・チソン氏が適応の問題から夏まで待つように説得した」と伝えたほか、「W杯で活躍した選手を擁することでクラブのブランド価値と注目度が高まることを全北は認識している。チョ・ギュソンのインスタグラムのフォロワーが急増するとともに、全北のフォロワーも数倍に増え、ファンイベントやグッズ開発も活発になった」とも指摘した。

記事によると、ドイツのスポーツ紙「キッカー」は「マインツはチョ・ギュソンの獲得にかなり積極的だったが全北が頑固だった。マインツのボ・スヴェンソン監督は12月中にチョ・ギュソンにコンタクトを取り、チームも全北に移籍金330万ユーロと将来の移籍金の50%を上乗せした5年契約を提示したが、拒否された」と報道。これが伝わると、多くのファンが全北のSNSに「(全北は)わがままだ」「選手ファーストになるべきだ」「チョ・ギュソンを解放せよ」「パク・チソンはチョ・ギュソンの翼をもいだ」といった批判を書き込んだという。

日本よりも韓国の方が海外移籍のハードルが高い?

記事は「サッカーは結局のところ結果論だ。もしチョ・ギュソンが冬のうちに移籍してうまくいかなければ、やはりパク・チソンが批判されるかもしれない」とする一方、「日韓両リーグの選手の欧州行きを見ていると大きな違いがある」と指摘。「韓国選手が海外移籍に息詰まる中、日本の多くの選手が今冬に欧州のクラブに移籍した。しかもそのほとんどが今回のW杯には出場していない選手たちだ」とした。

そして、セルティックを例に、横浜F・マリノスから昨季のJリーグ年間MVPのDF岩田智輝を、ヴィッセル神戸からDF小林友希を、それぞれ100万ユーロに満たない額で獲得したこと、同クラブに完全移籍したFW前田大然もW杯出場前に比較的安い移籍金で獲得していたことに言及。「直接的な比較はできないが、日本のクラブは選手がより高いレベルのリーグに行くチャンスがあるのなら、移籍金にはそれほど執着しないようだ」とした。

その上で、「Jリーグが掲げる百年構想では、アジア全体のサッカーのレベルをJリーグ主導の下で向上させ、世界のサッカー市場におけるアジアサッカーの価値を上昇させるとある。日本がより多くの選手をより高いレベルのリーグに送り出し、選手自身のレベルと価値を向上させることができれば、最終的にはJリーグ、ひいては日本サッカーの価値を向上させることにもつながるのだ」と論じた。

韓国のスター選手が欧州クラブに「直行」するのは稀

記事は、「日本代表の選手たちは、冨安健洋吉田麻也三笘薫伊東純也鎌田大地田中碧など、多くが日本のクラブから直接欧州のクラブに加入している一方、韓国人選手が自国クラブから欧州クラブに直接移籍した例は、近年ほとんどない」と指摘した。

ソン・フンミンやイ・ガンインは欧州クラブのユースチームからトップに昇格し、ファン・ヒチャンも高校卒業後にすぐにオーストリアのザルツブルクに加入した。キム・ジンスはJリーグのアルビレックス新潟でプロキャリアをスタートし、そこからホッヘンハイムへと移籍した。キム・ミンジェも前述のように中国リーグから欧州のクラブに移籍した。

記事は、「欧州のクラブがまだ実力が未知数のアジアの選手に対して高額な移籍金を出したがらないという面があり、アジアのクラブも妥協できないという事情はあるだろう」としながらも、「キム・ミンジェが『日本がうらやましい』と言ったのはおそらく、日本のクラブが適正な費用の回収と選手の将来性、国としてのサッカーの発展をバランスよく考えていることに対してだろう」と指摘。「日韓両国の選手の海外移籍のチャンス、および代表チームの発展の違いは、ここから生じているのかもしれない」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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