正念場迎える日韓の元徴用工協議、「佐渡金山・原発処理水が悪材料に」と韓国メディア

Record Korea    2023年1月28日(土) 8時0分

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日韓の元徴用工問題をめぐる協議が正念場を迎えつつある。韓国メディアは「佐渡金山の世界文化遺産登録と東電福島第1原発の処理水放出計画が韓日関係のさらなる悪材料に」との見方を示した。

日本と韓国の元徴用工問題をめぐる協議が正念場を迎えつつある。韓国側は日本企業の賠償支払いを政府傘下の財団が基金で肩代わりする案を軸に調整を急ぐ構えだが、聯合ニュースは「佐渡金山の世界文化遺産登録を目指す動きと東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の放出計画が韓日関係のさらなる悪材料に」との見方を示した。

聯合ニュースによると、韓国政府は1月12日の公開討論会で、被告である日本企業の賠償支払いを政府傘下の財団が基金で肩代わりする案を提示。被害者や市民団体などは強く反発している。

日韓の当局者は1月末ごろにソウルで局長級協議を開く方向だ。韓国外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長と外務省の船越健裕アジア大洋州局長は16日にも東京で協議している。協議の開催はこれまで1カ月に1回程度だったが、調整の大詰めを迎えペースを上げることになる。

だが日本政府は1965年に締結された請求権協定で元徴用工問題は解決済みとの立場を崩していない。そのため被告企業の基金参加や徴用の事実を認める新たな表現を盛り込んだ謝罪など、解決済みとする立場と食い違いが生じかねない要素を徹底して避けてきた。

こうした中、日本政府は20日、朝鮮半島出身者の強制労働があった「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録に向け、正式版推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に再提出したと発表した。日本は佐渡金山を世界遺産に登録するに当たって対象時期を江戸時代までに限定している。これについて韓国では、近代以降に起きた強制労働の歴史を意図的に排除し、佐渡金山全体の歴史から目を背けるものとの批判の声が上がった。

さらに聯合ニュースは「東電福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出計画も上半期の韓日関係を揺るがすことは必至だ」と伝えた。日本政府は先ごろの関係閣僚会議で、海への放出を始める時期を「春から夏ごろ」と確認した。安全性の評価がまだ終わっておらず、韓国政府は科学的かつ客観的な検証結果を待った上で対策を練るとみられる。

佐渡金山と原発処理水に関して聯合ニュースは「韓国では食と健康に関わる問題として世論が敏感に反応している」と報道。「これら二つが韓国の対日世論を悪化させれば、元徴用工問題の解決に向けた韓日の交渉にも響きかねない。最大の懸案である元徴用工問題をその他とは切り離して扱う必要があるという意見も上がっている」などとして、「両国がこれらの問題をコントロールしつつ、最大の懸案である元徴用工問題を解決できるか注目される」と言及した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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