中国人の英語力、一気に低下し112カ国中62位に、米中対立で英語教育を急速に縮小

Record China    2023年1月30日(月) 9時0分

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中国人の英語力が一気に低下し、2022年は世界112カ国の非英語圏諸国を対象にした評価では62位だった。中国政府が英語教育を規制したためで、米中対立が影を落としているとの見方がある。

中国で英語教育が急速に縮小し、中国人の英語力が一気に低下して2022年は世界112カ国の非英語圏諸国を対象にした英語力評価では62位だった、と韓国・朝鮮日報が報じた。中国の英語教育の縮小は政府が規制したためとされ、米中対立が大きく影を落としているとの見方がある。

朝鮮日報によると、国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(1965年、スウェーデンで創業)の世界112カ国の非英語圏諸国を対象にした22年の英語力評価で中国は62位だった。同じ調査で中国は20年38位、21年49位とここ数年低下傾向が顕著になっている。ちなみに韓国は36位だった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「今回の評価で中国は幼い年齢ほど英語力が低いことが分かった」と伝えた。

中国は21年7月、「児童生徒を苦しめる宿題と塾の二つの負担軽減」を目指す「双減政策」を発表。その結果、小中学校の児童生徒は法定休日、週末、夏休みや冬休みも塾に通えなくなり、平日の学習時間が制限されるようになった。この政策で最も大きな打撃を受けたのが英語教室だ。昨年2月には大手の英語スクールが高校生クラスも大幅に減らした。

中国政府は学校教育における英語の比重も下げている。昨年8月に上海市当局は市内の小学3~5年生の英語授業で月末試験、中間試験、期末試験を廃止した。湖南省、吉林省、河南省なども英語の時間を縮小する方針を相次いで発表している。昨年9月に中国教育部(省に相当)は「小学校の外国語(英語)授業時間が占める割合は全体の6~8%と非常に低く、中国語(20~22%)や美術・体育(10~11%)と比べても顕著に低い」と明らかにした。

中国における英語教育の縮小について、朝鮮日報は「米中対立が激しくなる中で欧米の思想やイデオロギーの広がりを阻止することが目的との見方がある」と報道。2010年代には中国の高校生が最も好む課外活動は英語で行われる「模擬国連」だったが、中国の国際的な影響力が高まり米中競争が激しくなると、中国政府は欧米の文化や情緒を伴う英語を排斥しようとしているのだ。

中国のメディア関係者は「中国政府はこれ以上英語を外の世界とつながる道具とは考えていない」「今、中国のエンターテインメント業界では中国語を世界の公用語にするための努力が進められている」と語る。メディア政策を担当する中国新聞出版放送総局は昨年、「芸能界で外国語の名前を使うな」という指針を打ち出した。北京や天津など大都市では公共の場所の英語表記は拼音(ピンイン、アルファベットを使った中国語の発音表記)に変更されている。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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