人民網日本語版 2023年2月2日(木) 22時30分
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故宮博物院がこのほど、分館の建設を本格的に始動し始めた。写真は故宮北院区の完成予想図。
1925年に正式に創立され、すでに約100年の歴史を誇る故宮博物院がこのほど、分館の建設を本格的に始動し始めた。中央テレビニュースが伝えた。
プロジェクト立ち上げから約10年かけて準備が進められていた故宮博物院の分館・北院区の建設がこのほど正式に始まった。建設地は北京の北西郊外の海淀区北西旺鎮西玉河村だ。南側には川が流れ、北側には山が連なり、敷地面積は11.56ヘクタール、建築面積は10.2万平方メートルとなっている。故宮博物院からは約30キロ、車で1時間ほどの距離となっている。
故宮博物院は中国最大規模の古代建築群であるほか、世界に現存している最大規模で、保存状態が最も優れた木造宮殿群でもある。その敷地面積は72万平方メートルで、大小の宮殿が約70、部屋数は約9000室にものぼる。これほど大規模であるにもかかわらず、なぜ分館を設置する必要があるのだろうか?
故宮博物院の党委員会書記を務める都海江(ドゥ・ハイジアン)副院長は、「故宮本院で毎年展示される文化財は1万点に満たないが、北院区が完成すれば、その数を2万~3万点にまで増やすことができる」と説明する。
現時点で、故宮博物院で保存されている文化財は186万3404点で、故宮北院が完成すれば、展示環境が根本的に改善され、その能力が拡張されることになる。
都副院長は、「これまで、展示環境や条件が整わず、故宮で展示することができなかった文化財がたくさんある。近代的な博物館を建設して、180万点以上に上る文化財を展示できるようにしなければならない。新博物館が完成すれば、12ホールが設置され、展示ホールの面積は合わせて3万5000平方メートルに達するだろう」とする。
故宮博物院の場合、建築物そのものが文化財でもある。しかし、宮殿は博物館とは異なり、展示ホールとすることはできないスペースが多い。そのため、これまでは相当数の文化財は一般公開する機会がほとんど無かった。
また都副院長によると、北院区が建設されると、本院の古代建築や見学者、移動が可能な文化財などの安全をめぐる問題を解決することができると期待されている。
故宮は中国にとって第一陣の世界文化遺産で、すでに603年の歴史を誇る。現時点で、一般公開されている面積は全体の75%を占めている。故宮北院が完成すれば、宮内で業務や文化財の保存のために使われている古代建築のスペースを最大限明け渡すことも可能にする。
また、気温や湿度、光といった環境に対する要求が高く、防虫や虫食い防止、酸化防止といった措置を講じなければならない文化財や特殊な気体の中に保存しておく必要のある文化財の多くに、新設する故宮北院がより適切な保存環境を提供できるようになる。
故宮北院の建設は現在、急ピッチで進められており、故宮博物院が創立100周年を迎える2025年の完成を目指す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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