受刑者が他の受刑者に暴行され死亡、刑務所側は「自らに責任なし」と主張―広西

Record China    2023年2月5日(日) 21時0分

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広西チワン族自治区内の刑務所で服役中の男性受刑者1人が死亡した。他の受刑者に繰り返し暴行を受けていたことが判明した。刑務所は暴行を加えた受刑者の法的責任は追及されるが、自らには責任なしと主張している。

広西チワン族自治区貴港市内の西江刑務所で2022年9月6日、服役中の男性受刑者1人が死亡した。刑務所側は当初、遺族に対して心臓病で死亡したと説明した。しかし地元の貴城地区検察院の介入により刑務所側が提出した動画には、死亡した受刑者が他の受刑者により繰り返し暴行を受けていた状況が写っていた。刑務所側は、暴行を加えた受刑者の法的責任の追及に着手したが、自らには責任がないと主張し続けている。

死亡した受刑者の姉によると、刑務所側は最初の連絡で「心臓病で死亡した。疑いはない」と説明した。家族が刑務所に出向いたのは9月14日で、遺体の体は黒ずんでいたが目立った外傷はなかったので、刑務所の説明を信じた。しかし、監視カメラの映像を見たいと求めると、刑務所側はさまざまな理屈を言って拒絶した。

刑務所側はその後、映像を提出したが、編集済みのものだった。死亡した受刑者は手錠をかけられ、ベッドの上で苦しそうにして転げ回っていた。家族は未編集の動画を求めたが、刑務所側は拒絶した。家族はその後、貴城地区検察院に同件を伝えた。同検察院の介入で、刑務所側は完全な動画を提供することにした。

家族によると、死亡した受刑者は、8月25日までは正常に見える。しかし同日、他の受刑者と口論になり殴られた。死亡した受刑者は、手錠と足かせをはめられて「厳重管理室」と呼ばれる部屋に入れられた。その後、死亡した者は同じ部屋に入れられていた受刑者2人から暴行を受けた。刑務官が静止したりけがの手当てをすることはなかった。また、他の受刑者が死亡した受刑者の手錠をかけたりはずしていたことも分かった。死亡した受刑者はその後も、繰り返し暴行を受けた。

受刑者が死亡した9月6日の午前0時32分ごろには、受刑者は部屋の中でもがき苦しんでいた。刑務官と見られる人物が何度ものぞき窓から中をのぞいたが、いずれもすぐに去った。午前5時33分ごろに、同室の別の受刑者2人が、死亡した受刑者に暴行を加え始めた。胸を殴る、腕や足をねじる、口を押える、首を絞めるなどだった。受刑者2人はしばらくして、ベッドに座って笑いながら暴行を加えた受刑者を見ていた。

午前5時58分ごろからは、暴行を加えた受刑者があわてはじめた様子が写っている。午前6時18分ごろには、酸素ボンベを扱う様子も見られた。死亡した受刑者は午前6時24分に部屋から運び出された。

広東省の司法鑑定センターは2022年10月に、受刑者の死亡原因は首を締められたり口や鼻を覆われたための窒息死との結論を示した。貴城地区検察院も、「異常な死だった」として、刑務所が管理監督する他の受刑者から危害を加えられ、刑務所内の医務室と貴港人民病院で緊急治療を受けたが死亡したと表明した。

西江刑務所は自らに責任はないと主張し続けている。暴行を加えた受刑者については、すでに立件されており法に基づいて処理されると表明すると同時に、刑務所自らの責任については、「監督に問題があるかどうかは、刑務所自らが調査する」との説明だ。貴城地区検察院の職員も、「事件はすでに法に基づいて処理中だ」と述べた。

西江刑務所は「自らに責任はない」と主張する一方で、遺族には10万元(約194万円)の救済金を支払う考えを示した。救済金の金額はその後、30万元(約581万円)に引き上げられた。しかし遺族は受け取りを拒否している。(翻訳・編集/如月隼人


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