米テキサス州などで中国人排斥の動き、不動産購入禁止の法案に広がる動揺

Record China    2023年2月13日(月) 6時40分

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米テキサス州で、州上院議員が中国人などの不動産購入を禁止する法案を示したことで、米国在住の中国系住民の間で動揺が広がっている。写真は同州最大の都市であるヒューストン。

米テキサス州で、州上院議員が中国人などの不動産購入を禁止する法案を示したことで、米国在住の中国系住民の間で動揺が広がっている。カリフォルニア州への移住を考える人もいるという。ニュージャージー州でも、中国企業を念頭に外国人による農地購入を禁止する動きがある。中国外交部の毛寧報道官は10日の定例記者会見で、中国人の不動産購入を禁止する米国国内の動きを批判した。

共和党に所属するロイス・コルホルスト州上院議員は1月上旬、同州内で中国人およびイラン人、北朝鮮人、ロシア人が不動産を購入することを禁止する法案を提出した。同州在住の中国系住民は強い衝撃を受けている。

テキサス州ヒューストンで飲食店5軒を経営する王さんは、同法案を知って怒りがこみ上げたと述べた。他の民族と同様に懸命に働いているのに、不動産を購入させないことは不公平だと思うからだ。王さんはすでに従業員70人以上を雇うなど、仕事はこれまで順調に進んできた。中国国籍のままにしているのは、帰省の際に便利だからという。王さんは、米国に永住することを認められた中国人が、起業や大学進学、さらには職を得ることを禁止することにつながることを懸念している。

テキサス州在住の中国人の間では、カリフォルニア州に引っ越すことを検討している人もいるという。テキサス大学オースティン校の朱浩准教授は、テキサス州で提出された法案により、一部の人々が「特定の人種集団に対する憎悪を表現したいと思うようになる」と述べた。朱准教授は、新型コロナウイルス感染症の出現で、中国系住民は「肌の色だけで、嫌われるようになった」と指摘した。

コーネル大学政治学部のジェシカ・チェン・ワイス教授は、テキサス州の法案について、「出身国に基づく禁止令は、特に、対象に将来において米国国民になる人が含まれているならば、米国のこれまでの全ての主張に反することになる」との見方を示した。ワイス教授はさらに、米国が、問題が存在する可能性のある投資に対して審査を行うことは肯定した上で、「全面的な措置を取ることは、われわれの価値感を損ね、(米国は)全世界から人材と投資が向かう先としての吸引力を失う」と指摘した。

ニュージャージー州では、ダグ・スタインハート州上院議員が、「中国企業が米国の農地を大量に購入している」として、外国人によるニュージャージー州内の農地の所有を禁止すべきと主張した。フロリダ州、アーカンソー州などでも中国人の不動産購入を制限する動きが始まっているという。

中国外交部の毛寧報道官は米国における中国人の不動産購入を禁止する動きについて「国家安全保障の概念を拡張して経済、貿易、投資を政治問題化する言動は、市場経済の原則や国際的な経済と貿易のルールに背いており、米国の市場環境に対する外部の信頼を損ねるものだ」と批判した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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