ロシアで存在感高める中国車、ディーラー店舗数1000超、日米欧メーカー撤退の空白埋める?

Record China    2023年2月18日(土) 8時0分

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ロシアで中国車が存在感を高めている。ロシアによるウクライナ侵攻後、日米欧のメーカーは相次いでロシアから撤退。その空白を中国車が埋めているともみられる。写真はロシアのサンクトペテルブルク。

ロシアで中国車が存在感を高め、見かけることが増えたと中国国営メディアが報じた。ロシア国内にある中国ブランド車のディーラー店舗数は2022年末時点で1000を超えた。ロシアによるウクライナ侵攻後、日本や米国、欧州のメーカーは相次いでロシアから撤退。その空白を中国車が埋めているともみられる。

中国国営新華社通信によると、モスクワ南部にある奇瑞汽車の販売店では、スポーツタイプ多目的車(SUV)「瑞虎(Tiggo)」シリーズが整然と並んでいた。試乗に訪れる人も多く、販売員によると、来店者は年々増えているという。

ロシアの自動車業界専門家やメディアは中国車のロシア市場での動向を注視し、各ブランドの新車発売や納車状況を追跡するほか、新型車の性能を分析し、市場の見通しを予測している。中国車に関するニュースはメディアでもたびたび取り上げられている。

ロシアの自動車雑誌「オート・ビジネス・レビュー」と現地の商業銀行がこのほど共同で実施した調査によると、ロシア国内にある中国ブランド車のディーラー店舗数は22年末時点で1041となり、ロシア国内の自動車ディーラー店舗のほぼ3分の1を占めた。中国からの乗用車輸入台数も昨年は前年比40%増の11万7千台となり、中国はロシアへの乗用車主要輸出国となった。

ロシアでは一般消費者だけでなく、レンタカー会社やタクシー会社も中国車を盛んに導入している。ロシアのレンタカー会社Europlanによると、業界が最も注目するのは中国製クロスオーバーSUVで、奇瑞や吉利、長城「哈弗(HAVAL)」、安徽江淮汽車集団(JAC)などが人気を集めている。同業のVTBリーシングはロシアでは今年、中国車のシェアが顕著に拡大するとの見通しを示した。

市場の旺盛な需要を受け、アフトトルなどロシア自動車大手も中国車のライセンス生産を開始している。

中国自動車工業協会CAAM)が1月に発表した22年の中国の自動車輸出台数は、前年比54.4%増の311万1,000台。2年連続で過去最高を更新し、初めて300万台を超えた。中国メディアは「輸出台数はドイツを上回り、日本に次いで世界2位となった」としている。

一方、ウクライナ侵攻の長期化を受け、欧米の自動車メーカーは事業継続が困難と判断。昨年中に米国のフォード・モーター、ドイツのメルセデス・ベンツグループ、フランスのルノーなどがロシア事業から撤退した。トヨタ自動車は昨年9月に生産と新車販売の終了を発表。日産自動車は10月に生産や販売など全事業をロシア国営企業に譲渡することを明らかにした。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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