2023年2月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の各地方財政が昨年支出した新型コロナ関連費用が少なくとも3000億元（約5兆9000億円）を超えたと報じた。

記事は、中国の各地方政府が発表した2022年の年間決算報告を見ると、31ある省、直轄市、自治区（以下、省とする）のうち少なくとも20省がコロナ関連の支出データを発表しており、各省によって計算方式が異なるもののその合計額は少なくとも3520億元（約6兆9000億円）に上ったと伝えた。

また、裕福な省ほど関連支出が多い傾向にあり、最も多かったのは広東省で、PCR検査、ワクチン、医療従事者への補助などでおよそ711億元（約1兆3900億円）を費やしており、2021年の1．57倍、20年の2倍以上だったとした。2番目は江蘇省の約423億元（約8280億円）で、21年に比べて28倍以上に達したとしている。さらに、北京市の関連支出は約264億元（約5170億円）と同市の年間公衆衛生予算の2倍に上り、上海市も約167億元（約3270億円）を費やしたと紹介した。

記事は、昨今中国の経済成長が鈍化している中、多額のコロナ関連支出により中国の地方財政は一層厳しい状況となっていると指摘。このほかにも中国の国有土地使用権の譲渡による収入が減少しており、これも地方政府の財政状況をさらに悪化させる要因になっていると伝えた。（翻訳・編集/川尻）