「復興号」寒冷地仕様スマート高速列車が運行開始、寒さに強い理由とは?―中国

人民網日本語版    2023年3月1日(水) 15時30分

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「復興号」寒冷地仕様スマート高速列車が運行を開始した。

復興号」寒冷地仕様スマート高速列車の運行開始が最近、検索人気ランキングに入っていた。それでは最低気温が−50℃を下回る東北地域において、高速列車はどのような過酷な気象の課題に直面するのだろうか。全身に精密機器を搭載し極寒地帯を通過する列車の「暖を取る」にはどうするのだろうか。

「ダウンジャケット」と「湯たんぽ」

極寒と強風の天候でも正常に運行できるようにするため、寒冷地仕様高速列車は特殊材料と設計により製造されており、自然換気機能を持つ密閉型防雪設備室がある。車外では大雪が猛威を振るっていても、車内では常に人体にとって最も快適な22℃で保たれる。

「復興号」寒冷地仕様スマート高速列車の設計機関である中車長春軌道客車の車両設計マネージャーを務める上級エンジニアの馬凱(マー・カイ)氏は、「寒冷地仕様高速列車は設計当初より密閉防雪機構、低温凍結防止、結露防止などの措置を採用。外部表面に使われる金属・非金属材料を例にすると、大量の低温実証実験に合格した材料を採用している」と説明した。

列車の重要部品の凍結を防止するため、設計者は「ダウンジャケット」を用意した。高速列車の重要部分である台車を例にすると、防護カバーを設置することで氷雪や砂塵から保護している。

技術者は大量の計算・分析と低温実証実験により、一部箇所にヒートトレース装置を設置することで低温と凍結に備えた。例えば列車の水循環システムは寒さに弱い重要部分だ。このヒートトレース装置は熱を循環させるハイテクな「湯たんぽ」と考えられ、0℃以上で保ち低温による凍結を防いでくれる。


融氷・除雪設備と特殊コーティング

保護措置を講じていても、実際の運行において高速列車は吹雪の中を高速で走行し、台車と列車底部に大量の雪が入ってしまうことがある。一部の電熱装置は運行中に熱を生み、外部表面の雪が溶けることで着氷し、高速列車の運行の安全に影響を及ぼす。

中国鉄路ハルビン局集団は、寒冷地仕様高速列車HTK-CBX01型融氷除雪設備を独自に研究開発した。入庫した高速列車の各重点部分に温水を高圧噴射することで、台車の雪と氷を全方向からスピーディに取り除くことができる。

中国が独自に研究開発したケイ素とフッ素を含む疎水性コーティングが2016年頃に登場した。このコーティングは高速列車の重要部分に油膜を形成し、その表面の摩擦抵抗を非常に低くし、溶けた水を「立脚」できなくすることで、防氷と除氷の効果を発揮する。


「V字型」迷路

馬氏は、「この列車にはさらに多くの心温まるテクノロジーがある。例えば全密閉型設備室の換気口は「V字型」迷路設計を採用しており、氷雪に耐えると同時に換気できる。列車の頂部では、主要高圧部品を高圧設備ボックス内に集約するとともに密封を行い、冬の霧や煙霧、氷雪などによる高圧設備のフラッシオーバーを防止する」と説明した。

このほか、寒冷地仕様高速列車は「基礎制動凍結防止機能」を追加。すなわち、停車中にブレーキパッドとブレーキディスクローターがそれぞれ55秒離れ、5秒密着するのを繰り返し、低温氷雪気象条件による凍結を防止する。

ブレーキパッドとブレーキディスクローターが離合を繰り返すことで、物理的な除氷を実現する。これはある人が雪の中を歩いている時に立ち止まり、体に積もった雪をふるい落とし、軽々と再出発するようなものだ。

これらの耐寒テクノロジーによるサポートを受け、高速列車は−40℃~−50℃の天気でも高速に走行できるのだ。(提供/人民網日本語版・編集/YF)


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