2023年3月2日、中国プロバスケットボールリーグCBAの試合で、外国人選手がダンクシュートを決めた後バランスを崩して頭から着地し病院に搬送されるアクシデントがあった。

2日に行われたCBAの天津―広厦戦で、天津のデイビッド・ジェームスが相手のディフェンスを交わしながらダンクシュートを決めた後、自身の下をくぐっていた相手選手との衝突を避けようとしてバランスを崩して逆さまに落下、とっさに手を出すも間に合わずえび反りの体勢で顔面から落ちた。ジェームズはうつ伏せに倒れたまま動かなくなり頭部付近から床に血が流れた。場内は騒然とし、観客や選手らがぼうぜんとする中、ジェームズは病院に救急搬送された。観察者網などの中国メディアが事故発生時の中継映像を公開しており、実況と解説者の「アイヤー」という叫び声やチームメイトの表情などから事の重大さが見て取れる。

ジェームズが所属する天津パイオニアーズは3日に微博でケガの状況を説明。命に別条がないことを真っ先に伝えた上で、鼻骨骨折と軽い脳震とうによる短期記憶障害、門歯の断裂、顔面裂傷があったものの、幸い頸椎（けいつい）に異常は見られなかったとした。また、微博からの認証を取得している著名スポーツブロガー「強哥説事」氏は、ジェームズが事故の瞬間の記憶を失っていること、搬送先のCT室に入る前に「天津はリードしているか」と尋ねたとの情報を伝えるとともに、競り合った相手選手に故意はないとし、ネット上で過激なバッシングをしないよう呼びかけている。

このアクシデントに対し、中国のネットユーザーは「大事がなくてよかった。一日も早い回復を祈る」「動画を見てとても辛かった。生死に関わる重傷でないと知ってすごく安心した」「頸椎が無事だったのは不幸中の幸いだった」など、ジェームズを励ますコメントを多く残している。一方で、故意かどうかにかかわらずジェームズの着地を妨げる動きは回避できたとして、相手選手を批判する声も目立ち、中には「刑事責任を問え」と憤るユーザーも見られた。（翻訳・編集/川尻）