中国がイランとサウジの仲介に成功、「次はイスラエルとパレスチナだ」の声も

Record China    2023年3月14日(火) 5時0分

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イランとサウジアラビアが国交正常化で合意した。仲介したのは中国だった。中国の専門家は、中国外交の成果として高く評価しており、次はイスラエルとパレスチナの関係正常化を仲介すると予測する声も出ている。

イランとサウジアラビアが国交正常化で合意した。仲介したのは中国で、イランとサウジは北京市内で協議を進めて合意して、10日夜に発表した。中国の専門家は、中国外交の成果として高く評価しており、次はイスラエルパレスチナの関係正常化を仲介すると予測する声も出ている。

サウジがイランと断交したのは2016年で、大きなきっかけは、サウジでのイスラム教シーア派聖職者の処刑を受け、イランのデモ隊が首都テヘランのサウジ大使館を襲撃したことだった。両国はその後、近隣諸国を巻き込む形で代理戦争を展開し、中東情勢は極めて緊張した。

イランとサウジアラビアの合意達成について、復旦大学中東研究センターの孫徳剛主任は、中国はは中東の平和と対話を促しており、サウジアラビアとイランに加え、次はイスラエルとパレスチナの関係改善を推進する可能性があるとの見方を示した。孫主任はその論拠を「パレスチナ、イスラエル、サウジの共通点は、対立する双方ともにが中国を信頼できるパートナーとみなしていることだ」と説明した。

中国人民大学国際問題研究所の王義民所長は、イランとサウジアラビアの合意達成について、「西洋医学」では解決できない問題を「中国医学」で解決できることを証明したとの見方を示した。ともすれば武力に頼る米国式の外交を「西洋医学」に例えた表現だ。王所長は、中東地域でイスラエルに対する軍事行動が発生していない状況について、米国による軍事輸出、武器売却、対外援助などの「あめとむち」の手法が奏功しているだけで、本当の意味で平和を実現したわけではないとの見方を示した。

復旦大学中東研究センターの鄒志強研究員は、「サウジアラビアとイランの正式な和解は間違いなく地域情勢に大きな影響を与える」との見方を示した。鄒研究員によれば、サウジとイランの和解は、イランとサウジだけでなくイランと他の中東諸国との関係改善も促進する。鄒研究員はさらに、米国とイスラエルはアラブ諸国による“反イスラエル連合”の構築に努力してきたと論じ、イスラエル外交は変更をせざるを得なくなったと分析した。

中東問題の根源にあるのは、イスラエルとパレスチナの対立だ。第二次世界大戦後にイスラエルが建国されると、パレスチナ人は反イスラエル闘争を続けることになった。1988年にパレスチナが独立を宣言すると、パレスチナを国家として承認する国が相次いだ。2019年7月時点で、国連に加盟する193カ国中、138カ国がパレスチナを国家承認する状況になった。日本や米国などの、いわゆる西側諸国はごく少数の例外を除いてパレスチナを国家として認めていないが、国際社会ではむしろ少数派だ。

中国はパレスチナ問題について、一貫してパレスチナ側を支持してきた。一方で、中国とイスラエルの関係では、不自然な状態が長く続くことになった。イスラエルは中華人民共和国が成立した翌年の1950年には中華人民共和国を承認すると表明したが、中国側はイスラエルを国家承認しなかったなどだ。しかし1992年には中国とイスラエルは外交関係を樹立した。両国は2017年になり、全面パートナーシップを宣言するなど、双方の関係は良好だ。中国はパレスチナに対しても、イスラエルに対しても「言うことに耳を傾けてもらえる」状況を構築していると言ってよい。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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