米シリコンバレー銀行の破綻、中国のスタートアップ業界も要警戒―中国専門家

Record China    2023年3月14日(火) 15時0分

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10日、環球時報は、米シリコンバレーバンクの経営破綻について、中国のスタートアップ業界も警戒が必要だとする中国現代国際関係研究院米国研究所の専門家による文章を掲載した。写真はシリコンバレーバンク。

2023年3月10日、環球時報は、米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻について、中国のスタートアップ業界も警戒が必要だとする中国現代国際関係研究院米国研究所の専門家・李崢(リー・ジョン)氏による文章を掲載した。

李氏は、主に米シリコンバレーのスタートアップ企業向けにサービスを提供していたSVBが10日に突然経営破綻を宣告し、スタートアップ業界に衝撃が走ったと紹介。突然の破綻に至った直接的な原因は顧客による取り付け騒ぎであり、9日に預金者や投資家による420億米ドル(約5兆6000億円)という米国内においてこの10年で最大規模となる引き出しが発生して銀行のキャッシュが枯渇したことを説明した。

また、米FRBの急速な利上げに伴い銀行所有の国際価格が下落して収益性が大きく低下し、10年近く活況が続いていた米国のスタートアップ業界が2022年下半期から調整期に入って銀行のキャッシュフローが減少していた上、今年に入って多くの預金者が債務レバレッジ低減のために現金を引き出すようになったといった間接的な要因もあったとしている。

そして、今回の突然の破綻劇は、今後多くの米国内および国際的なハイテク企業に資金のショート、賃金支払い不能といった危機をもたらすのではないかとの懸念を広めるとともに、暗号通貨市場での取り付け騒ぎといった負の連鎖を引き起こし、米国の地方銀行やFRBに対する市場や預金者の信頼が揺らぐ可能性もあり、米財務省やFRBは影響の拡大を防ぐための計画を練り始めているとした。

李氏は、SVBが早い時期から中国のスタートアップ企業向けに融資業務を展開していたことで、中国にも一定の影響があるとする一方で「われわれにとっては、今回の件から警告、教訓を受け取ることの方がより大切だ」と指摘。21世紀に入って急発展を続けているスタートアップ分野はもともと強い周期性があり、下向きリスクを甘く評価してはいけないこと、スタートアップ業界の周期と金融業界の周期が強く連動するため、十分な把握が不可欠であることを教訓として挙げた。

さらに「スタートアップ分野には独特なシステマティックなリスクが存在すること」にも言及。SVBの破綻による影響は同規模の従来型業業銀行よりもはるかに大きく、スタートアップ分野に特化していたというSVBの特性が浮き彫りになったとし、スタートアップ分野には重要データバンク、重要ベンチャーキャピタル、暗号通貨資金プール、重要決済プラットフォームなどシステム上のノードが存在し、一度これらのノードに危機が発生すればハイテク分野全体に影響が波及する恐れがあると分析している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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