清華大の「信頼的で持続的進化技術」、自動運転の安全性の向上に期待―中国

人民網日本語版    2023年3月16日(木) 22時30分

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楊殿閣教授のチームが開発した自動運転「信頼的で持続的進化」技術は自動運転車の大規模な実用化に可能性を示した。

安全性は自動運転技術の中核問題の一つだ。清華大学によると、同大の車両と輸送学院の楊殿閣教授のチームが開発した自動運転「信頼的で持続的進化」技術により、自動運転車が突発的アクシデントに見舞われた場合に、事前に対応策を設定していなくても自主的に学習し不慣れなシーンに対応できるようにするとともに、安全運転を保証する。これは自動運転車の大規模な実用化に可能性を示した。新華社が伝えた。

楊氏は、「現在の自動運転車はすでに特定の典型的シーンにおける運転・運行の能力を持つが、その大規模な実用化には依然として安全面の懸念がある。自動運転はデータ駆動のAI(人工知能)技術に依存する。従来の研究方法は、事前に対応策を設定し自動車が突発的アクシデントに対応できるように、より大規模な運転データの収集、より長距離の運転距離数によってあらゆる運転シーンをカバーしている。しかしAIは既知のシーンしか処理できる上、AIアルゴリズムの「ブラックボックス」の特徴とその偶発的な不具合の特徴により、不慣れなシーンに遭遇すると自動車が制御できなくなる恐れがあるため、安全運転が非常に困難な状況になっている。

研究チームが打ち出した「信頼的で持続的進化技術」は、同問題の解決に新たなアプローチを示した。同技術はAIの信頼性の程度を動的に評価し、自動運転車が自主的に学習・トレーニングし、新たに遭遇する各種シーンに慣れるようにし、その運転能力を「持続的に進化」させ、安全を保証する前提でより良い運転を実現する。

研究チームのメンバーで、清華大学車両と輸送学院の博士研究員の曹重氏は、「複数回にわたるシミュレーションと実車実験の結果によると、同技術は、車の逆走、建設用車両の車線はみ出しや追い越しなどシステムが事前に設定しなかった複数のアクシデントが発生した場合、自動車に追加で指示を出さなくても自動的に回避できる。そして走行距離とデータの蓄積により性能が持続的に向上する」と述べた。

楊氏は、「同技術は未知のシーンに遭遇した際に自動運転車に起こりうる危険行為という問題を解決する見込みで、自動運転車に普及と大規模な実用化の可能性を持たせている」との見方を示した。

同成果はこのほど、「Nature Machine Intelligence」に掲載された。研究チームによると、同新技術はこれまで北京テック冬季五輪自動運転モデルプロジェクト2022で応用に成功した。同技術のより多くの走行シーンにおける対応力と自主向上能力を検証するために、同チームは大規模な自動運転公道応用のモデル実証を行う予定だ。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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