Record China 2023年3月21日(火) 5時0分
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日中は時として激しく反発しあうが、企業活動を見れば双方は相互依存の関係にある。丸亀製麺は中国への再進出を決め、ユニクロ製品は世界で歓迎されて日中両国に利益をもたらした。
香港誌に亜洲週刊はこのほど、日本と中国の互いに影響を及ぼしあい成果を出してきた状況や今後についての期待を説く、邱立本編集長の署名入り記事を発表した。以下は、その要旨だ。
日本と中国の企業間には愛憎が交錯してきた。一方で両国の企業は相手を必要としている。愛の中に憎しみがあり、憎しみの中に愛がある構図だ。双方は「つかず離れず」の状況を続けてきたが、本当に離れてしまうことはなかった。
日本の丸亀製麺はコロナ禍にあって中国大陸部から撤退したが、大規模な再進出をすることを決めた。中国ではコロナ対策の変更にともない「リバウンド消費」が発生しつつある。丸亀製麺は中国市場での消費回復の「急行バス」に乗らねばならない。そのために、日本のうどんは中国人の胃袋だけなく、中国人の心もつかまねばならない。
中国人の中には日本料理に「恋心」を抱く人もいる。北京や上海では日本料理レストランがますます増えている。客1人当たりの料金が1000元(約1万9000円)という高級店もあるが、やはり繁盛している。消費意欲が旺盛な中国人にとって、新鮮な刺身を口にすることは、東の海にある国の高価な味を口にすることだ。
日中の提携は実際には、コストパフォーマンスのよい製品も多く出現させている。日本のユニクロが典型だ。日本でデザインされ、中国で生産され、全世界で大いに売れるファストファッションを出現させた。ユニクロを率いる柳井正氏は2013年に資産総額が155億ドル(13年末の為替レートで約1兆6000万円)に達し、「日本一の長者」になった。まさに多国籍企業の伝説だ。
ユニクロなどの成功の影響で、「名創優品」(Miniso)や「奈雪的茶(Nayuki)」「元気森林」など、中国で「偽日系」と呼ばれるブランドが出現することにも。実際にはすべて中国の業者による、パクリ版の日本ブランド展開だ。この現象は論争と嘲笑を招いたが、最終的にはいずれも成功した。これらの「偽日系」ブランドの成功は、日本というイメージが持つソフトパワーを示したものだ。
日本の自動車産業は中国でハードパワーを誇示してきた。トヨタ、ホンダ、日産は過去20年あるいは30年にわたり、中国で日本国内よりも多くの自動車を製造してきた。日本企業の活動は、中国が世界最大の自動車生産国兼消費国になることを後押しした。同時に、中国に進出した日系の自動車企業の成功は、日本にも大きな利益をもたらすことになった。
しかし今では、中国では電気自動車(EV)が台頭し、日本ブランドの自動車は巨大な圧力を受けるようになった。中国企業のBYDによる22年のEV生産台数は186万3000台で、世界トップに躍り出た。利益も前年の5倍に激増して、米国企業のテスラを圧倒した。
日本企業はEV製造で世界5位以内にも入らなかった。中国は自動車制造業の発展競争で日本企業を圧倒する構図が出現した。
中国では農村の疲弊という現象が深刻だった。労働力が都市部に流失して人口空洞化に直面したことも大きな原因だった。農村部の実家には高齢者や子供しか残っていない家庭も増えた。家は荒れ果て、農村の風景はみすぼらしかった。
そこで中国は、農村振興策に尽力するようになった。中国人が驚いたのは、日本の農村の整った様子だ。一部の地方政府は日本の精密な農村管理を参考にした。清楚さを重視して、地方経済の新しい支えを見出そうとした。
単に日本に学んだだけではない。一部の目ざとい農村幹部は故郷に帰って起業した企業家と提携して新たな構想を開拓した。例えばハイテク農業の推進や点滴灌漑による高級農作物の栽培だ。そして地元産品のネット利用のライブ販売を行うようになった。インフルエンサーを活用した農産部特産品のネット販売は、日本の農村にもうらやましがられるようになった。
日本と中国は永遠に互いの鏡だ。双方は爱と憎しみを交錯させる一方で、互いの長所と短所を摂取し続けてきた。肝心なことはやはり、緊密に交流し、民間の心を通わせて、政治上の矛盾の構図を打ち破ることだ。日中双方は、いずれも漢字文明圏という歴史的な背景がある。双方が文化面の共通性を活用してこそ、「21世紀はアジア人の世紀」という未来を共に享受することができる。(翻訳・編集/如月隼人)
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