Record China 2023年3月24日(金) 11時0分
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日本のGDP世界3位という地位が危うくなってきている、と中国メディアが報道。ドル建ての名目GDPで4位のドイツとの差が急速に縮まっているほか、インドも猛追している。
日本が長年維持してきた国内総生産(GDP)で世界3位という地位が危うくなってきている、と中国メディアが伝えた。長引くデフレに目下の急激な円安・ドル高が加わり、ドル建ての名目GDPで4位のドイツとの差が急速に縮まっているほか、インドも猛追しているためで、世界経済で日本の存在感は薄れつつある。
中国網は日本経済新聞が報じた2022年の日独の名目GDPに年平均の為替レートを掛け合わせて比較した数値を引用。「日本のドル建てGDPは4兆2300億ドル(現レートで約555兆円)で、ドイツは4兆600億ドルと1700億ドルの差しかなかった。両国の差は20年が1兆1500億ドルで、21年は6700億ドルだった」と紹介した。
日本は1968年に当時の西ドイツを抜き、資本主義諸国の中で米国に次ぐ2位に躍進した。日本の02年の名目GDPは4兆1800億ドルで、ドイツ(2兆800億ドル)の2倍以上だった。
日独の差の縮小の主因は円安だ。22年に米国の利上げの影響を受けドル高が進行し、ドル円相場が32年ぶりの円安を記録。ユーロの対ドルレートも下がったが、円安の方が急激だった。
名目GDPを見ると、物価の伸び率が高いほど金額が大きくなる。国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターで見ると、22年のインフレ率はドイツの5.1%に対し、日本は0.2%だった。
ドル建ての名目GDPで20年前と比べると、ドイツは倍増したが、日本は1%の増加にとどまった。20年前より倍増した米国は25兆ドルと世界一で、12倍増した中国は18兆ドルで2位だった。
中国網は「日独の状況を観察すると、ドイツの実質GDPは1.3倍に増え、物価は1.4倍に上がった」と指摘。「これを押し上げたのは為替レートだ。日本の実質GDPは1.1倍増にとどまり、長期的なデフレにより物価が6%低下し、円相場が5%低下した。これはGDPが目減りした理由だ」とした。
さらに「日本の構造的な成長の潜在力は乏しい」と論評。「海外から大量のエネルギー資源を輸入する状況に変化はなく、資源価格の高騰により輸入額が膨らんでいる。電子業界の競争力が低下し、商品の輸出による収益力も下がっている。少子高齢化と人口減少の激化により基礎的な『体力』が低下し、大きな影響が出ている」と述べた。
今後の見通しについては「日本とドイツの後からは、急成長を維持するインドが猛追している」と言及。「国連の試算によると、インドの人口はすでに中国を超え世界一になっている。国際通貨基金(IMF)は、2020年代後半にインドがGDPで日独を抜くと予想した」と付け加えた。(編集/日向)
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