香港は世界の国と地域の中で、人口当たりで日本を旅行する人が最も多い。日本が外国人の訪日条件を大幅に緩和したことで、香港メディアも日本旅行の関連情報を多く報道するようになった。香港メディアの香港01は24日付で、客引きの甘言に騙されて飲食した結果、とてつもない高額を要求される場合があるとして、注意を呼び掛けた。

記事は、台湾を拠点に活動する「三原JAPAN」というYouTuber（ユーチューバー）グループに所属するJunさんの体験談として、東京・新宿歌舞伎町で発生したという事例を紹介した。記事は、東京の新宿や渋谷、大阪の心斎橋などの繁華街は、「飲食」「遊び」「ショッピング」の三拍子が揃った場所であり、日本旅行をする多くの人が訪れると紹介した上で、これらの場所は「客引き詐欺の多発地帯」と指摘した。

Junさんと友人1人は歌舞伎町を歩いていたところ、客引きに声をかけられて、1人当たり2時間2000円で飲み放題で、「女の子」も同席すると勧誘されたという。

店では同席した女性が、酒の注文に同意を求めた。女性が勝手に酒を注文することもあった。「飲み放題」なので構わないと思っていたが、会計に際して40万元もの大金を請求された。2000円の料金はいわゆる「テーブルチャージ」分だけで、酒は1杯が1万円、スナック菓子が2万元などと言われ、さらに30％のサービス料も加算されていた。

Junさんは、ソファの後ろに隠されていたメニューを示され「これが正規の料金」と言われた。抗議するとヤクザ風の上司がやって来て、支払いを強要されたという。Junさんはやむなく、ヤクザ風の上司に付き添われてATMで現金を引き出して支払った。

Junさんと友人はただちに近くの警察に行ったが、警察は民事不介入なので協力できないと言われた。支払う前に店関係者と共に警察に来たならば方法があったかもしれないが、支払ってしまえば「合意成立」と見なさざるを得ないと説明されたという。

「三原JAPAN」は日本人ですら客引きの被害に遭遇する場合があるので、外国人旅行者はなおさら用心せねばならないと呼びかけた。飲食店関連では、客引き以外にも客から金銭を「ぼったくる」手口があり、ネットなどで店の実名を公開されても、店の名を変えて同様の手口を繰り返すという。

香港01記事は、現在の日本では客引き行為は違法と紹介した上で「街には依然として、悪意ある不法行為をする者が多くいる」と説明。日本を旅行する際には十分に気をつけて、客引きにはついていかないよう呼びかけた。（翻訳・編集/如月隼人）