Record China 2023年3月31日(金) 9時0分
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28日、台湾メディア・科技新報は「日本は決して資源の乏しい国ではなく、世界第3の地熱資源大国である」とする記事を掲載した。
2023年3月28日、台湾メディア・科技新報は「日本は決して資源の乏しい国ではなく、世界第3の地熱資源大国である」とする記事を掲載した。
記事は、地殻の深層にある熱エネルギーである地熱は発電に使える再生可能エネルギーであり、100以上の活火山を持つ日本の地熱資源量は2347万キロワットと原子炉約20基分に相当し、米国、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源大国であると紹介。一方で、地熱が日本のエネルギー問題を解決する上で貴重な存在であるにもかかわらず、この数十年日本では地熱発電に進展が見られず、エネルギー全体のわずか0.3%程度にとどまっており、専門家からは「大いなる浪費だ」との指摘も出ていると伝えた。
その上で、日本の地熱開発を阻む最大の要因が日本を代表するレジャー産業の温泉産業であり、業界内では地熱開発によって温泉資源が破壊されると広く認識されているとした。また、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 (JOGMEC)が地熱発電は深層の岩石や地下水の沈積物を利用するのであり、地表に近い水を利用している温泉に影響は与えないとの見解を示しているものの、科学者からは地熱資源と温泉との関係は分かっていない部分が多く、実際に地熱開発を進めることで温泉がどうなるかは想定できないという反対意見も見られると伝えた。
さらに、温泉を主要産業とする地方では行政が地熱開発に待ったをかけており、群馬県草津市では昨年、事業者が地熱開発計画を立てる際、温泉に影響を与えないことを証明することを義務付けたほか、国内有数の温泉地である大分県別府市でも昨年4月、地熱発電開発増加対策として新規掘削禁止区域を拡大したと紹介した。
記事は、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県の土湯温泉では生活再興のために住民の同意の下で地熱発電を建設し、稼働から8年が経過しても温泉の水質、水量に影響が出ていない上、発電により子どもや高齢者の交通利用の無償化を実現するなど一部の地域で成功例も見られるものの「他地域の温泉事業者を説得するには至らない」とした。そして、日本政府が30年度までに再生可能エネルギーの全エネルギーに占める割合を38%にまで高める目標を掲げているものの、地熱発電は建設から稼働まで約8年の時間がかかることから、地熱を頼りにした目標達成はもはや困難な状況であると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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