凌星光 2023年7月8日(土) 16時0分
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コラム「人生90年の足跡―体験で語る日本と中国―」最終回の第16回は「学習―反省―創新の一生」。
16.学習―反省―創新の一生
以上、90年の人生を顧みて、いくつかの人生術をまとめてみました。
一つは常に前向きに思考し、困難に立ち向かうことです。私は後悔することはほとんどありませんでした。自分の予想とは違った局面に出会っても苦にせず、現実を踏まえて前進を図ってきました。
二つ目は信念を貫き、歴史的責任を果たすことを旨としてきました。大同世界の実現という大道理で全ての小道理を包み込んできました。そして、人生とは矛盾の解決プロセスであると割り切ってきました。
三つ目は謙虚さと包容力で「人民に奉仕」することです。世のため人のためという精神があれば、私利私欲や名誉地位を超克することができ、人付き合いにおいても善意と誠意をもって対応することができます。心のバランスが保たれ、常に平静な心情を保持できます。
四つ目は常に学び、常に反省し、常に新たな出発を試みることです。中国共産党はまさにこのような道を歩んできました。年を取るにつれ何事にも消極的になりやすいですが、自分にむち打ち、常に積極性を維持するよう努力してきました。
最後に、今、しきりに「台湾有事即日本有事」が語られ、日中間で戦争が起こるのではないかと案じられています。ですが、私は、99%戦争は起きないと考えています。台湾は平和統一が図られ、中国は日本侵略の意思はないですし、日本は中国侵略の意思も能力もないからです。問題は、日本が中国を誤解しており、中国はその誤解を解く努力が足らないところにあります。もちろん米国の要素もありますが、日本は独立国家であり、対米従属をそう重く見るべきではないと思います。米国の中国脅威論は、米国の覇権維持のためですが、日本の中国脅威論は誤った未来中国像から来ていると思います。中国は実際の言動でもって未来像を提示し、日本の中国脅威論を解く努力が必要であると思います。
私の「人生90年の足跡」は以上です。ありがとうございました。
2023年2月10日記
■筆者プロフィール:凌星光
1933年生まれ、福井県立大学名誉教授。1952年一橋大学経済学部、1953年上海財経学院(現大学)国民経済計画学部、1971年河北大学外国語学部教師、1978年中国社会科学院世界経済政治研究所、1990年金沢大学経済学部、1992年福井県立大学経済学部教授などを歴任。
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