福島第1原発処理水の海洋放出、韓国漁業関係者の懸念高まる、主要水産団体は静観の構え

Record Korea    2023年3月31日(金) 14時0分

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東電福島第1原発処理水の海洋放出が間近に迫り、韓国の漁業関係者の懸念が高まっている。米国やIAEAが日本政府の方針を容認する中、主要水産団体も静観の構えを取っているためだ。写真は韓国。

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が間近に迫り、韓国の漁業関係者の懸念が高まっている、と韓国紙が報じた。太平洋沿岸国である米国と国際原子力機関(IAEA)が日本政府の方針を容認する中、日韓関係改善を重視する韓国政府だけでなく主要な水産団体も静観の構えを取っているためだ。

日本政府は事故を起こした福島第1原発の敷地に保管中の処理水を海岸に運ぶ配管工事を6月までに終え、海に放出する計画だ。韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究院が2月に発表したシミュレーション結果によれば、処理水は放出後3、4年たって韓国海域に到達することになる。

ハンギョレ新聞によると、韓国内の漁業者たちは放出反対集会を計画するなど強く反発している。済州島の水産業界は「放出で済州の水産業界が被ることになる被害額は4483億ウォン(約448億円)と推定される。これは済州地域の水産物の生産額9121億ウォンの49%にもなる規模だ」と訴えた。韓国の養殖業売上額の60%以上を占める南海岸の漁業者も糾弾集会を開き、韓国政府の強い対応を求めた。

現地の漁業者の反発にもかかわらず、韓国の主な水産団体は意外にも静かだ。日本政府を糾弾し、政府の強い対応を求めた昨年とは全く違う雰囲気だ。日韓関係改善を最優先の外交目標に設定した政府が、放出に対しても一歩引いた態度を示しているからだ。

韓国水産業経営人中央連合会のキム・ソンホ会長は取材に「すでに日本がこれを承認して放出を防ぐことができない状況に至り、海流上の処理水が最初に到着する米国などでも反対する動きがないため、私たちが先に積極的に乗り出すのは難しい」と話した。

水協中央会のイム・ジュンテク前会長も「(最近の水産団体長らとの懇談会で)放出したら、われわれが先制的に放射能検査を実施し、水産物の安全性を宣伝しなければならないという話だけが交わされた」と指摘。「放出は水産物の安全には大きな問題を引き起こさないというので、ひとまず見守るべきではないかという雰囲気だ」と語った。

韓国水産貿易協会のペ・ギイル会長も3月24日の定期総会で「水産団体が放出に強く反対すれば、それがブーメランになって返ってくる。専門家が話すべきであり、(われわれが先に乗り出せば)韓国の水産物消費が減る」と述べ、言及を控えた方がいいという意見を明らかにした。

これに対し、現場の水産業従事者たちは不満を吐露する。仁川(インチョン)地域のある韓国水産産業総連合会の会員は「昨年12月の臨時総会で2023年事業計画に『放出阻止』を明文化した」と強調。「突然、今になって尻尾を下げる理由が理解できない」と強く不服を唱えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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