Record China 2023年4月1日(土) 13時30分
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日中双方の防衛当局が直接対話を可能にするホットラインを開設した。また、林芳正外相は1日から2日間の日程で訪中する。中国では、両国関係の改善に積極的な意義があると紹介されている。
日本の防衛省と中国の国防部(国防省)は3月31日、「日中防衛当局間ホットライン」を開設したと発表した。中国メディアの環球時報は同件について、関係者が「日中関係が改善に向かっている前向きなシグナルだ」と説明したと報じた。
同ホットラインについて、中国側では「海空連絡メカニズムに属する直通電話回線」と説明されている。運用の開始については、「段取りについての意思疎通を維持する」と説明された。
中国国防部は日本側とのホットライン開設について「中日防衛部門の意思疎通ルートを有効に充実させ、双方の海空の危機管理やコントロール能力を強化し、地域の平和・安定をさらに維持することに役立つ」と説明した。
日中両国の動きとしては、林芳正外相が4月1日から2日にかけて訪中することもある。日本の外相の訪中は、2019年12月に茂木敏充外相(当時)が訪中してから3年3カ月ぶりだ。日本側では、林外相と中国の秦剛国務委員兼外相による東シナ海問題についての意見交換や、中国滞在中の日本人男性が最近になり中国当局に身柄を拘束された件について、林外相が中国側に問題の早期解決を求めるとして注目されているが、環球時報記事は具体的な話し合いの内容には触れず、中国の周永生外交学院教授による「林芳正氏の訪中は中日関係が幾分の困難を経た後に緩和されたことを示している」、「中国国防部は林芳正氏の訪中直前に(ホットライン開設の)情報を発表し、中国側の誠意を示した」とのコメントなどを紹介した。
周教授は両国の防衛部門を結ぶホットラインの開設については、「両国の摩擦を減らす上で積極的な意義がある。双方が意思疎通を保ち、誤解や誤判断を避けて危機の管理やコントロールを行い、摩擦の拡大や事態のエスカレートを防ぐ上でプラスになる」との見方を示したという。
中国人民解放軍が開設した大学の教官を務めた経験もある軍事評論家の宋忠平氏は日中のホットラインの具体的な使用法について、定期的な交流に使われるだけでなく、緊急時の連絡にも使用されると説明した。日中には尖閣諸島その他の東シナ海の領域で係争があるので、日中の軍事的対立が発生した場合に、双方は直通電話を利用して危機のエスカレートを回避することができるという。
宋氏はさらに、「注目すべきこと」として日米の合同軍事演習に関連する使われ方を指摘した。中国が「敏感な地区」と見なす場所で日米合同軍事演習が行われる場合には、中国側はホットラインを利用して日本側に要求を示す可能性があるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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