Record Korea 2023年4月8日(土) 7時0分
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6日、新華社の雑誌「環球」ウェブサイトは、少子高齢化が急速に進む韓国で多くの地域が消失の危機に瀕しているとする文章を掲載した。写真は韓国。
2023年4月6日、新華社の雑誌「環球」ウェブサイトは、少子高齢化が急速に進む韓国で多くの地域が消失の危機に瀕しているとする文章を掲載した。
文章は、韓国の出生率が昨年再び過去最低を下回り、この状態が今後も続けば韓国自体が世界から早々に消えることになるとの懸念が広がっていると紹介。それ以上に現実的な問題として迫っているのが農村や郊外都市の消失危機であり、人口減少に伴う学校の閉鎖、医療施設の転出が起きる中、住民サービスの低下によってさらに人口が流出するという悪循環が起きていると伝えた。
そして、韓国教育部のデータによると、2022年3月現在で同国内では3896の小中学校・高校が運営を停止しており、その多くが全羅南道、慶尚北道、慶尚南道などに集中していると指摘。慶尚北道奉化郡にあり、22年7月1日現在の在校児童数が8人で半分の4人が6年生、1年生はわずか1人という小学校の校長が「この数年、村では子どもが生まれていない。学校も地域と一緒に消え去ることになる」と語ったことを紹介した。
その上で、韓国では1960年代の経済成長により農村から都市部へと大量に人口が流出し、農村部ではドーナツ化減少が発生したと紹介。奉化郡はその典型例であり、60年代には12万人を超えていた人口が90年代には5万人になり、22年には3万人を割り込んだと伝えた。
文章は、地域消失の根本原因は出生率の低さにあり、韓国政府も出生率の向上に力を注いでいると紹介。20年12月には第4次少子高齢化社会基本計画を打ち出し、出生後12カ月以内に育児休暇を申請した夫婦双方に最長3カ月、1人1カ月最高300万ウォン(約30万円)の手当ての支給を決定したほか、21年6月には改正国民健康保険法が国会で可決され、22年より第1子の出産補助金を60万ウォン(約6万円)から100万ウォン(約10万円)に引き上げ、辺境地ではさらに20万ウォン(約2万円)を支給することが決まり、22年からは0〜1歳の育児手当てを月額30万ウォン(約3万円)から50万ウォン(約5万円)に引き上げる措置も取られたとした。また、韓国政府だけでなく各地方行政も同様の子育て支援政策を打ち出しており、世宗特別自治市では出産世帯に120万ウォン(約12万円)の報奨金を支給していると伝えた。
さらに、韓国政府が06年から21年までの15年間で280兆ウォン(約28兆円)を投じて人口構造変化対策を講じてきたとする一方で、出生率低下を食い止める状況には至っていないと指摘。韓国保健社会研究院の責任者が「人口政策のスムーズな実施に向けてさらに多くの財政支援が必要だ」との考えを示したことを紹介した。
また、ソウル大学保健大学院の教授が「30代の若い層は現在、韓国史上最も競争の激しい生活を送っている。若い世代にとって人生の全ては競争であり、同世代の人と争うだけでなく、上の世代の人とも競争しなければならない。このような状況の中では、自分の生存を確保することが下の世代を育てることより優先される。激しい競争を招いた原因はリソースをソウルや首都圏に集中させ過ぎたことにある」との見解を示したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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