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一時は大躍進した中国のバイクが見放された理由とは、日中の激突で日本勢勝利―ベトナムメディア

Record ASEAN    2023年4月10日(月) 8時40分

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ベトナム共産党機関紙の人民報(中国語電子版)はこのほど、一時は同国市場で大躍進した中国系オートバイが没落して、日本ブランドが改めて勝利した経緯を紹介した。写真はベトナムホーチミン市で撮影。

ベトナム共産党機関紙の人民報(中国語電子版)はこのほど、一時は同国市場で大躍進した中国系オートバイが「没落」して、日本ブランドが改めて勝利した経緯を紹介する記事を発表した。

ベトナムは現在、世界第4のオートバイ市場だ。ベトナム二輪車製造業者協会(VAMM)によれば、2022年におけるオートバイ販売台数は前年比20.5%の300万3160台だった。販売台数は新型コロナウイルス感染症の低迷で落ち込んだが、3年ぶりに300万台を突破した。同年第1四半(1-3月)は前年同期比で7.4%増だったなどで出足がやや鈍く、新型コロナ発生前の水準は回復できなかったが、第4四半期には同207.7%増と、目覚ましい伸びを示した。

ベトナムのオートバイ市場はホンダ、ヤマハ、イタリアのピアッジオ、スズキ、台湾のSYMの5社で占められており、VAMMの統計もこの5社の業績によって作成されている。

特にホンダの場合には、8割前後のシェアを維持し続けている。22年のシェアは80.2%だった。ホンダ・ベトナムは現在、同国内に3カ所のオートバイ工場を設けている。設立は1996年で、16年には累計出荷台数が2000万台に達し、18年には2500万台、20年10月には3000万台に達した。現在までの累計出荷台数は3500万台だ。

中国は製造業が急速に発展してきた。オートバイでは1993年に生産台数が日本を抜いて、世界第1位になった。中国はしかも、ベトナムの隣国だ。中国ブランドのオートバイがベトナムにあふれていてもおかしくないはずだが、ベトナムの街で見かけるオートバイの多くは日本ブランドで、中国ブランドのオートバイを見ることはめったにない。

外国ブランドとしてベトナム市場を最も早く席巻したのは、日本のオートバイだった。1998年には、ベトナムのオートバイ市場の98%が日本のオートバイだったという統計もある。一方で中国系のオートバイは、ベトナムは隣国であるという「地の利」を生かして、99年ごろからベトナム市場に「殺到」するようになった。

中国のオートバイメーカーはベトナムで価格競争を展開した。日系や韓国系のオートバイより圧倒的に安価だった中国系オートバイは、ベトナム市場を「切り取って」いった。

当時のベトナムの街では、力帆、宗申、軽騎など中国ブランドのオートバイが随所で見られた。わずか3年間ほどで、中国のオートバイのベトナム市場におけるシェアは、8割程度に達した。02年には重慶摩托車(重慶オートバイ)だけで、ベトナムへの輸出額が3億2000万ドル(同年年末の為替レートで約384億円)に達した。

しかし、「中国バイクの天下」は長続きしなかった。ベトナム当局は、中国製バイクの市場シェアがあまりにも高いので、自国のバイク製造業が発展する障害になると判断した。そして、関税を引き上げた。

そのため、中国の一部のオートバイメーカーは対策として、生産ラインをベトナム国内に移した。そしてより大きな市場シェアを獲得しようと、価格競争を始めた。小売価格は下落する一方で、最終的には1台当たりの利益が30ドル(23年4月9日時点の為替レートで約4000円)程度にまで落ち込んだ。

中国のメーカーにとっては、価格を下げつづけるために、コストを圧縮するしかなくなった。コストを圧縮するために、オートバイの品質を下げた。消費者は次第に、中国ブランドのオートバイを見放していった。そして今では、ベトナムの街で中国系オートバイを見かけることはほとんどなくなり、道を走っているオートバイのほとんどが日系のオートバイとなった。

中国のメーカーはベトナム市場で「得を取ろう」として大損をすることになった。あまりにも急速に成果を出そうとすれば、重い石を持ち上げて自分の足の上に落とすようなことになる。天下を勝ち取るために頼れる「武器」は、品質以外にはありえない。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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