故郷か?大都会か?一線都市にOターンしてきた若者たち―中国

人民網日本語版    2023年4月20日(木) 15時30分

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一度は北京、上海、広州、深センなどの大都会を去ったが、再び戻る。こうした一線都市と他の都市の間を何度もOターンする若者が今年の春、頻繁に見られた。写真は上海。

一度は北京、上海広州深センなどの大都会を去ったが、再び戻る。こうした一線都市と他の都市の間を何度もOターンする若者が今年の春、頻繁に見られた。一線都市に戻る回数で見ると、2回Oターンした人もいれば、3回の人や、さらに多い人もいる。

求人サイトの智聯招聘が研究機関の沢平宏観と共同で発表した「中国都市95後人材誘致力ランキング:2022」によると、一線都市の純流入人口は全国の純流入人口全体に占める割合が5.4%だが、「95後」(1995年から1999年生まれ)に限ると9.1%と高くなる。二線都市の純流入人口も全体の0.4%に過ぎないが、「95後」に限ると3.4%、こちらも高くなるという。

BOSS直聘研究院の常濛(チャン・モン)院長がこのほど発表したデータでは、北京、上海、広州、深センを離れてから約15カ月後に、再び一線都市に戻ることを選択した人が23%に上ったという。

2022年9月、李天さん(22)は北京を離れ、故郷のハルビン近くの県に戻ることを決めた。「ハルビンで一般的な仕事が見つかったら、月収は3000元(約6万円)前後になる。前の仕事は月収が1万元(約20万円)以上で、毎月の生活費6000元(約12万円)を除くと、5000元(約10万円)近く貯金できた。こうやって考えてみると、北京の労働環境は公平だと言える。評価の基準があくまで個人の能力だからだ」と話す。

「大都市は競争が激しいが、小都市には競争のチャンスさえない」とコメントしたネットユーザーがいる。

多くの人がストレスの大きい大都市を離れ、実家に戻ったりもっと遠い所へ行ったりするのは、よりストレスの少ない、のんびりした暮らしをしたいからだ。彼らは、より小さな都市に移っても、たくさんのチャンスが自分を待っていると期待する。しかし都市発展の集積効果により、小都市の国内総生産(GDP)も1人当たり所得も伸びているとはいえ、一部の数少ない資源が全国各地に平均的に行き渡るという状況にはなっていない。

多くの若者は一線都市のストレスと困難さを身をもって体験し、一度は離れることを選んだものの、最終的に「一線都市でしか欲しいものは手に入らない」と気づくようになる。一線都市にとってみれば、この「欲しいもの」とは、高い賃金や手厚い待遇かもしれないし、ずば抜けた事業の成功かもしれないし、豊かな文化的生活かもしれないし、次世代により高いスタート地点を用意することかもしれない。

北京・上海・広州を去ってから北京・上海・広州に戻るまでの間に、変化したのは若者の心のあり方ではない。変わったのは今後のチャンスと発展に対する彼らの期待だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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