Record China 2023年4月24日(月) 6時30分
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アジアの多くの地域が、4月としては極めて珍しい猛暑に見舞われた。熱さによる死者の集団発生も報じられている。写真は猛烈な暑さに襲われた国の一つであるタイの情景。
アジアの多くの地域が、4月としては極めて珍しい猛暑に見舞われた。熱さによる死者の集団発生も報じられている。極端な暑さが発生しているのは主に東南アジアや南アジアだが、日本でも4月としては異例の30度以上の気温が観測された。
気候学者で気象歴史家のマクシミリアーノ・エレーラ氏は、今回の異常高温を「前代未聞の恐ろしい暑さ」と述べ、「アジア史上最悪の4月熱波」と表現した。現在までに、アジア十数カ国の観測地点数百カ所で、最高気温の記録が破られた。
ラオスのルアンパバーンでは42.7度の最高気温が記録された。同国で信頼できる気象観測記録が残されるようになってからの、4月としての最高気温という。首都のビエンチャン市でも14日に、同市の4月として最高の41.4度が観測された。
ミャンマー北西部のカリワでは44度、ベトナム北西部の山岳地は38度を記録した。いずれも4月としての新記録だ。ミャンマー中部のバガンでは21日に気温が45度にまで上昇した。
タイでは15日、北西部のダッフ県にある気象観測所で45.4度を記録し、同国における4月の最高気温を更新した。タイでは今後も高温が長く続くとして、干ばつや農作物の不作の可能性が懸念されている。
タイのプラユット首相は18日、タイ各地の「危険な暑さ」に懸念を表明し、バンコクのボンナ地域では気温が「52.3度に達する可能性がある」と述べた。
パキスタン、インド、ネパール、バングラデシュでは気温が40度を超える日が続いている。バングラデシュの首都ダッカでは、58年ぶりの暑さになり、気温は40度以上になり路面のアスファルトが溶け出した。同国当局者によると、暑さが緩和されない場合、一部の地域で緊急高温状態が宣言されるという。
インドの気象当局によると、18日には同国の気象観測所48カ所で42度以上の気温が観測された。うち同国北部東部の6都市では、44度以上が記録された。マハーラーシュトラ州では16日、屋外で開催された式典に集まった人のうち、少なくとも13人が熱中症で死亡した。それ以外にも50人から60人が病院に収容された。
インドではすでに、一部の州で高温を理由に学校が閉鎖された。暑さが原因で頭痛など健康上の問題が出ている児童がいるという。インドはこのところ毎年、熱波により大量の熱中症による死者が発生する状況が繰り返されている。専門家は「今年は状況がさらに悪くなる恐れがある」と懸念している。
19日には日本と韓国にも熱波が到達した。熊本県では同日、4月として過去最高の30.2度を記録した。中央アジアでも、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどで異常な暑さが観測されている。
アジア以外でも記録的な暑さが観測されている。南半球にある南アフリカは秋を迎えたが、各地で異常な暑さとなっている。同国のングラでは19日に気温が40.1度まで上昇した。ミビア、アンゴラ、ボツワナでも気温が38度を超えた。
多くの科学者が、地球規模での気候の変動が加速しており、極端な熱波の発生はますます普遍的になると予想している。2022年時点の研究では、2100年までに極端な熱波の頻度が3倍から10倍に増加すると予測。アジアの多くの地域を含む熱帯地方では、人々が1年の大半を危険な高温にさらされて暮らすことになる。専門家によると、この高温のレベルは人類にとって生存の限界を突破するという。(翻訳・編集/如月隼人)
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