『すずめの戸締り』が中国で大ヒット そこから読み取れる中国経済の動向とは

CRI online    2023年4月23日(日) 6時0分

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『すずめの戸締まり』は3月下旬の公開開始からわずか17日間で日本の興業収入を上回り、4月20日公開の『ザ・ファーストスラムダンク』は前売り券だけで1億1460億元(約22億円)を突破した。

このところ、日本のアニメ映画の中国での大ヒットが続いている。『すずめの戸締まり』は3月下旬の公開開始からわずか17日間で日本の興業収入を上回り、4月20日公開の『THE FIRST SLAM DUNK(ザ・ファーストスラムダンク)』は前売り券だけで1億1460億元(約22億円)を突破した。新型コロナの影響で一時低迷していた中国の映画市場は、その本来持つ力を一気に爆発させた。

今年に入り、新型コロナ対策が新たな段階に入って以降、中国では経済と社会の動きが急速に活発化している。映画館だけでなく、飲食店の前にも長蛇の列が見られ、町や観光地にツアー客が戻っている。

そんな中、18日に発表された今年第1四半期の経済運行状況では、中国のGDPは不変価格で計算すれば前年同期比4.5%増となり、伸びは昨年第4四半期より1.6ポイントも高い。季節と合わせたかのように、中国経済も春の活気に満ちている。

経済成長の中身については、成長をけん引する「トロイカ」の一つとされる「消費」の役割がとりわけ際立っている。最終消費の経済成長への寄与率が66.6%に達し、中国経済が秘める内生的原動力の力強さが示されている。また、海南省で開かれたばかりの第3回中国国際消費財博覧会では、世界各国から300以上のブランド、1000種類以上の新商品が発表された。中国は、『すずめの戸締り』に最大の興行収入をもたらしたが、同じように、まずは中国市場で脚光を浴びることが、多くの多国籍企業にとって共通の戦略となっている。

対中直接投資においては、今年に入ってから多国籍企業の経営陣が相次いで訪中し、中国で追加投資を行うことを発表した企業もある。今年1〜2月期、実行ベースの中国の外資利用額は約400億ドルとなり、増加の勢いは保たれている。

輸出の面では、第1四半期の物品貿易は前年同期比4.8%増加している。特に、中国産EV車、リチウム電池、太陽電池の輸出は合計66.9%増え、越境ECなど新業態の対外貿易の成長も比較的速く、貿易の伸びを下支えしている。

世界貿易機関(WTO)は、2023年の世界物品貿易の伸びは1%から1.7%に上昇するだろうと見通しており、中国をその「重要な要素」とみなしている。中国の国内消費の回復が国際貿易の成長を促進することが期待されている。また、国際通貨基金(IMF)の分析では、「中国経済が1ポイント成長するにつれ、他国の成長率を約0.3ポイント押し上げる効果が期待できる」とし、今年の世界経済の成長に占める中国の割合が3分の1強になるだろうと指摘している。中国経済と世界経済は、このように持ちつ持たれつの関係にあるのだ。

2023年の世界経済は引き続き低迷が予想されるが、その中でも世界銀行は2023年の中国のGDP成長率が5%を超えると予想し、IMFは5.2%という成長予測を出しており、中国経済の伸びは積極的な波及効果を生み出すとも指摘している。国際社会の中国経済への期待の高さがにじみ出ている。

今後の歩みについてアナリストは、公開されたデータの分析、また比較の基準となる昨年第2四半期の成長率が比較的低かったことから、「7%以上の成長が期待できる」とし、「通年ベースでは前年同期比5%前後の成長目標の実現に問題はないだろう」と見通しを立てている。

『すずめの戸締り』など日本アニメ映画の中国での大ヒットからは、中国経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は変わっていないのだという事実が読み取れる。回復傾向にある中国経済は今後もオープンマインドで、世界と共に歩んでいく姿勢だ。中国と世界は、元より運命共同体なのである。(CMG日本語論説員)

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