Record China 2023年4月27日(木) 5時0分
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中国では4月29日から5月3日までのメーデー連休中のホテル宿泊料金が異常な高騰を見せている。旅行客が増えたこと以外の業界側に起因する原因もあるという。写真は中国の高級ホテルの室内。
中国では4月29日から5月3日までが、5月1日のメーデーに伴う5連休だ。情報サイトの騰訊網の23日付記事によると、各観光地ではホテルの宿泊料金が平時の2-3倍に上昇しており、中には5倍程度の料金設定を行うホテルもある。一方で、有名観光地のホテルには宿泊予約が殺到し、すでに新規予約は困難な場合があるという。
江蘇省蘇州市の中心部である観前街では、平日は1泊350元(約6800円)のホテルの宿泊料金が、4月29日入室の場合には約3.44倍の1204元(約2万3400円)に引き上げられた。海南省三亜市にあるアトランティス三亜ホテルの4月から5月にかけての平均宿泊料金は1泊2488元(4万8400円)だったが、4月29日入室では1泊6188元(約12万円)で、30日と5月1日の場合は8388元(約16万3300円)とされた。
三亜市内の比較的安価なホテルでは、4月28日から5月3日までの利用がすでに予約で埋まっている。一方で、高級ホテルのアトランティス三亜ホテルでも、それぞれのタイプの部屋が満室状態になりつつある。同ホテルでは、1泊10万8888元(約212万円)のロイヤルスイートルームも4月28日から5月3日まで予約された。なお、この部屋の宿泊料金は通常と同じだ。
江西省景徳鎮市にある某ホテルでは、平日ならば1泊281元(約5500円)の部屋が、4月29日から5月1日の間に入室の場合には最低でも2198元(約4万2800円)に引き上げられた。
オンライン旅行会社のサイトを見ると、人気観光都市におけるホテルの宿泊料金は、多くの場合、2019年同期の水準を上回った。北京市、天津市、杭州市(浙江省)、武漢市(湖北省)、上海市、済南市(山東省)では、宿泊料金が19年同期よりも25%以上高くなった。
繁忙期のホテル宿泊料金高騰の背景には、3年間に渡った厳しい新型コロナウイルス感染症対策の結果、ホテル業における需要と供給のバランスが変化したことがある。中国ホテル協会の発表によると、22年年初の時点で、中国国内のホテルの数は感染症発生前よりも25%減少して8万6000カ所だった。客室数は約24.7%減の47万室だった。
一方で、中国国内では観光目的の場合もビジネス目的の場合も、旅行需要は回復したと言える。3月における1日当たりの長距離鉄道利用者数は、19年同月を上回った。また多くの観光都市で、23年第1四半期(1-3月)の観光客受け入れ数が、19年同期を上回った。宿泊施設については、需要増に対して供給量の回復が追いついていない状態だ。
ただし業界関係者によると、繁忙期における宿泊料金の極端な値上がりは、年後半には緩和される見通しだ。すでに第1四半期には、高級ホテル及び準高級ホテルの開業が相次ぎ、開業件数は月を追って増加しているので、宿泊業界における需要と供給のバランスは回復しつつあるからだという。(翻訳・編集/如月隼人)
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