CRI online 2023年4月24日(月) 9時30分
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インドの人口が2023年半ばに中国を抜いて世界最多になると推計された最新発表を受け、岡田充氏は人口動態変化を踏まえながら、「今後、世界秩序の多極化は止められない」という見方を示しています。
インドの人口が2023年半ばに中国を抜いて世界最多になると推計された国連人口基金(UNFPA)の最新発表を受け、元共同通信客員論説委員の岡田充氏は人口動態変化を踏まえながら、「今後、世界秩序の多極化は止められない」という見方を示しています。
岡田氏は、23日に中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のインタビューの中で、「人口と経済には因果関係があるものの、米金融機関ゴールドマンサックスは2022年、中国が2035年に国内総生産(GDP)で米国を抜き、世界第1位の経済大国に躍進し、その半世紀後の2075年にも『中国の時代』は続いているとの予測を発表している」 と指摘しました。
岡田氏はまた、「人口減少は世界的に難しい課題で、インドですら合計特殊出生率が低下しており、世界的な人口減少の勢いを止める特効薬はないのが実情だ」とし、世界経済は世界人口の伸びの鈍化を原因に、今後10年、3%をやや下回る成長を続けた後で下降に向かうとするゴールドマンサックスの報告書に触れながらも、「中国は、各国との共同建設を呼びかける『一帯一路』構想、人工知能(AI)を駆使した最先端技術による産業高度化を図るなど、着々と手を打ってきた」と指摘したうえで、人口動態が持続可能な発展にもたらす影響を自覚しながら、積極的に対応策に取り組んでいる中国の姿勢を評価しました。
また、インドについては、「現在の平均年齢が約28歳、若年層の増加による経済成長の加速が見込まれる」と分析し、「インドのGDPは2022年に英国を抜き、世界第5位に、2050年には中国、米国に次いで世界第3位に躍り出る予測がある」と指摘しました。数学教育の重視や、優れたIT技術者を数多く有すること、また、新車販売台数の世界第3位への成長などをインドの強みとして挙げる一方で、「1日の収入が約2ドル(約270円)以下で生活している貧困層が1億4000万人に上り、貧困と雇用など社会問題が成長の制約要因となっている」とも指摘しました。さらに、農産物の流通の近代化と契約農業の制度化に向けた改革の停滞や、1990年代からの貿易自由化路線を逆転させる保護主義的な関税政策なども、インド経済の成長の足かせになっている要因だとし、「中国が1980年代からの農民工を人的資本にして工業化に成功したように、インドも輸出志向の労働集約型の工業化に成功しない限り、経済の高度成長は見込めない」との懸念を示しました。
岡田氏はさらに、「中国の力の源泉は重商主義的な経済にあるのに対し、米国は常に外部に敵を求め、それを団結のエネルギーにしてきた。米国はグローバルリーダーとしての地位を確立するため、軍事侵攻や支配の経験を積み重ね、それを中国にそのまま投影してけん制しようとする『軍事優先思考』が強い」と切り込み、そうした考えが米国自身、あるいはそれに同調する同盟国自身を弱体化させるとのネガティブな見通しを示しました。
一方で、「ゴールドマンサックスの報告書の予測が正しければ、2050年には現在のG7主導の世界秩序は、中国、インド、アフリカ、中南米諸国などによる多極化時代に置き換わるだろう。これは、習近平氏が2022年に発表した外交戦略『グローバル安全保障イニシアチブ』が描く世界と一致する」との展望も述べました。(提供/CRI)
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