中国当局、銀行に預金金利のさらなる引き下げ指導、貯蓄を消費や投資へ―海外メディア

Record China    2023年4月29日(土) 6時0分

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中国当局は今月、銀行に対して預金金利をさらに引き下げるよう指導した、と海外メディアが報道。膨らんだ貯蓄を消費や生産的な投資に振り向け、経済成長を押し上げようとの取り組みの一環だ。

中国当局は今月、銀行に対して預金金利をさらに引き下げるよう指導した、とロイター通信が報じた。大きく膨らんだ貯蓄を消費や生産的な投資に振り向け、経済成長を押し上げようとする政府の取り組みの一環だ。事情に詳しい7人の関係者が明らかにした。

国営新華社通信によると、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と外需の低迷で中国経済が低調に推移している中で、中国当局は昨年12月、国内消費と投資の拡大を目指した計画を策定した。新華社は国務院(内閣に相当)が発表した2022~2035年の計画を引用し、「内需の拡大は中国がより質の高い経済成長を追求し、外部のリスクや課題に対応するのに役立つ」と強調した。

中国は35年までに消費と投資の規模を新たな水準に引き上げ、都市部と農村部の所得格差を大幅に縮小し、中国の「共同繁栄」を大幅に前進させることを意図している。新華社は「内需拡大の戦略を確実に実行し、住民の消費と効果的な投資を拡大し、経済発展の回復力を高め、持続可能で健全な経済発展を促進する必要がある」と言及した。今回の預金金利の引き下げはこうした方針に連動する動きだ。

ロイター通信によると、中国人民銀行(中央銀行)は各銀行の金利を直接設定するわけではないが、ほとんどの銀行が加盟する「金利自主規制メカニズム」と呼ばれる仕組みを通じて実質的な指示を与えている。

同メカニズムの会合が今月開催されて預金金利の引き下げを促された、と2人の出席者と2人の銀行関係者が話した。ある関係者は「銀行は業界全体として預金金利を下げる必要があるとのメッセージだ」と指摘し、「銀行システムに流動性が供給され続けているのに人々が消費や投資をしないですべて貯蓄していれば何の意味があるのか」と付け加えた。

別の関係者は「4大国有銀行のうちの1行が近く要求払い預金などを対象に金利を下げる計画だ」と語った。 さらに別の関係者によると、同メカニズムの会合では4~6月の定期預金の加重平均金利を前年同期比で約10ベーシスポイント(bp)下げるよう求められ、高利回り貯蓄商品の販売撤回を迫られた銀行もあったという。

昨年に大手行が預金金利を下げたのに続き、4月に入って幾つかの中堅・中小行も追随した。ただ今回の当局指導によって、金利は一段と低下するとみられる。中国では昨年の家計部門貯蓄増加額が17兆8000億元(約356兆円)と過去最高を記録。今年第1・四半期にも9兆9000億元が上積みされた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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