中国河南省の記念撮影スポットとして有名な絶壁、当局が「危険」と破壊したことに批判の声も

Record China    2023年4月29日(土) 14時0分

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中国政府当局が河南省の記念撮影スポットとして有名な絶壁から突き出した岩を撤去。転落事故などの危険性があるとの理由だが、一部では「行政便宜主義」と批判の声が上がっている。

中国政府当局が河南省の記念撮影スポットとして有名な絶壁から突き出した岩を撤去した、と韓国紙が香港紙などを引用して報じた。転落事故などの危険性があるという理由からだが、当局の措置にインターネット上では議論が巻き起こり、一部では「行政便宜主義」と批判の声が上がっている。

朝鮮日報が紹介した23日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」などの記事によると、この絶壁は湖南省安陽市にある。「試胆石(度胸試しの岩)」と呼ばれて、先端が舌のように突き出た形をしていた。一歩間違えば転落しかねない、非常に危険な形だった。

ノルウェーの有名な岩「トロルトゥンガ(トロールの舌)」に似ている。微博(ウェイボー)など中国のSNSで検索すると、観光客が岩に腰掛けてポーズをしている写真がすぐに見つかる。絶壁は毎年数千人の観光客が訪れる観光スポットで、ほとんどの人々が絶壁の端に腰掛けて記念写真を撮るために訪れていた。

絶壁が掘削機ブレーカーを使って除去されたのは4月12日。中国政府関係者は「事故が起こるかもしれないという懸念があったため」と説明した。多くの観光客が絶壁の端まで行って記念写真を撮るが、この時、転落事故が発生する危険性が高いということだ。

撤去についてはネット上で賛否両論が噴出。「危険要素は事前に除去した方がいい」という意見と「行政上の便宜のために人気観光スポットをなくしてしまうというのは単純な考えだ」という意見だ。「観光客が近付けないようにフェンスを設置した方がよかったのでは」という声もあった。

政府の決定に対して賛否を問うネット投票も行われた。この投票で約2万2000人が「政府当局が岩をなくしたのは適切だった」に投票した。一方、約7300人は「自然のまま保存すべきだった」に投票した。

今回の措置に関して、中国政府関係者は「もともとここは正式な観光地ではなかった」「絶壁と岩を管理する職員は割り当てられていない」と指摘。一部で取り沙汰された「行政便宜主義」との批判には「すでに岩に亀裂が入っていて、警告表示板も取り付けていたが効果がなかったため、やむを得ない選択だった」と説明した。その上で、「多くの人が写真を撮るために絶壁の岩に登ったが、これはとても危険な行動だ。万が一の事故を未然に防ぐために壊した」と強調した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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