2023年4月27日、中国メディアの新京報は、孫がネット上で「わが家には9桁の財産がある」とSNS上で発言して浮上した広東省深セン市元幹部の汚職疑惑について、調査状況があいまいなまま1カ月が経過していると報じた。

記事によると、あるネットユーザーが1カ月前にSNS上で「わが家には9桁（1億元）を超える預金がある」と豪語するとともに、祖父が同市の元交通運輸局長であることを明かしたことがネット上で物議を醸し、「元公務員の人物の家に莫大な預金があるのは怪しい」として社会から広く注目される事態に。同局もこの祖父が2007年11月に同局を定年退職した幹部であることを認め、調査を実施していることを明らかにするとともに、同市の紀律監督管理当局も「法規に基づき処理する」とコメントした。

疑惑が浮上してから1カ月が経過した現在も依然として進展がなく、真相が謎に包まれたままになっており、今月25日に同局の関係者はメディアに対して「現時点では最新の情報を発表していない。みなさんが注目していることは知っているが、今ところ何の結果も出ていないのだ」とコメントしたという。

記事は、「9桁の預金」が本当に存在するのか、存在するのならそれは「不当な形での収入」ではないのかといった問題について調査することは決して難しいわけではないと指摘し、「関係当局がすでに介入している以上、速やかに情報公開すべきだ。たとえ全部を公開することが難しくとも、一部の問題についてピンポイントで回答することはできるはず。少なくとも情報公開に対して積極的な姿勢を見せなければいけない」と論じた。

そして、公費によって給料が支払われる公務員という身分である以上、その財産に不審な点はないのかについて社会に対しちゃんと説明をしなければならないとし、当局に速やかな情報公開を要求した。

この件について中国のネットユーザーは「たとえシロであっても発表すべき」「深セン市には9桁の預金をしている公務員があまりにも多すぎて、1人摘発すると全員やらなきゃいけなくなるから簡単に調査できないのでは」「きっと背後に大きな魚がいるぞ」「これは深セン以外の当局が異地捜査したほうがいいかもな」といった感想を残している。一方で「ネット上ではデタラメを言う人なんてたくさんいる。それをいちいち調査していたらきりがないと思うが」という意見も見られた。（翻訳・編集/川尻）