Record China 2023年5月7日(日) 10時0分
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台湾で中国本土などへのパイナップルを含む不正な種苗流出を厳罰化する法律の改正案を可決された。禁止された種苗などを輸出入した者には最長3年の有期刑が科される。
台湾の立法院院会(国会本会議)は2日、中国本土などへのパイナップルを含む不正な種苗流出を厳罰化する「植物品種および種苗法」の改正案を可決した。地元メディアが報じた。農業委員会(農林水産省)が禁止した種苗などを輸出入した者には最長3年の有期刑が科される。
台湾・中央通信社によると、中国は2021年から台湾産パイナップルの輸入を停止する一方で、台湾で育成されたパイナップルの「台農17号」(金鑚)などの品種が中国で栽培されていることが分かっている。19年に新品種として誕生したマンゴーのような香りがすることから「マンゴーパイン」とも呼ばれる「台農23号」も中国に渡っていた。
行政院(内閣)農業委員会の陳駿季・副主任委員(副大臣に相当)は取材に対し、「中国の関連の報道では『台湾から種苗を輸入した』などと伝えられているが、これらの品種の海外栽培は認められていない」と強調。中国の横柄な態度に「まさに泥棒だ」と怒りをあらわにした。中国側に栽培許可などに関する証明書の提出を求めることが困難な上、パイナップルはヘタさえあれば栽培できることから、流出ルートを調べるのも難しいという。
植物品種および種苗法の改正は日本をはじめとした海外市場での台湾ブランド価値の維持が狙いで、従来の行政罰を刑事罰にする内容を盛り込んだ。
種苗などを不正に輸出入した者には3年以下の有期刑と拘禁刑に加え、60万~300万台湾元(約270万~1350万円)の罰金が併せて科される場合もある。国家の安全や利益、農産業の発展に影響を及ぼす者についても種苗の輸出入を禁止することが加えられた。
行政院は刑事罰の追加によって種苗の管理が強化されることは台湾品種の不正な流出や国内の農業、経済安全保障、国家の利益に影響を与えることの防止につながると指摘。農業の競争力向上や産業転換促進の観点からも必要な法改正だとした。(編集/日向)
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