Record China 2023年5月8日(月) 7時30分
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中国メディアの澎湃新聞は5日、中国では若者層の失業率が高い水準であり、7月に向けてさらに上昇していく見込みとする、澎湃研究所の周燕玲研究員の署名入り解説記事を発表した。
中国メディアの澎湃新聞は5日、中国では若年層の失業率が高い水準であり、7月に向けてさらに上昇していく見込みとする、澎湃研究所の周燕玲研究員の署名入り解説記事を発表した。
2023年第1四半期(1-3月)における中国都市部の失業率は、前期比0.1ポイント下落の5.5%だった。しかし、全年齢層を通じた失業率はやや下落した一方で、16-24歳の若い世代の失業率は18.3%と、高い水準だった。しかも1月には17.3%、2月は18.1%、3月は19.6%と、上昇傾向を示した。3月の19.6%は、22年7月に次ぐ高い水準だった。
都市部における若い世代の失業率は、18年には10.8%だったが、19年には11.9%に上昇した。20年には新型コロナウイルス感染症やその他の状況の影響を受け、14.2%にまで上昇した。21年は14.3%と20年の状況をほぼ維持したが、22年には17.6%にまで高まった。23年第1四半期の若い世代の失業率は、過去の同期の水準を明らかに上回った。
過去のデータを調べると、若年層の失業率は毎年、7月にピークを迎えることが分かる。このことは、中国では7月が学年の終わりであり、就職先がまだ決まっていない新卒者が大量に発生するからと考えられる。
若年層の失業率には、年配の世代の失業率よりも、景気を敏感に反応する特徴もある。例えば経済成長率がやや鈍化した19年には、全年齢層の失業率にそれほど大きな変動はなかったが、若年層の失業率は7月に大きく上昇し、しかも例年とは異なって、年末になっても年初の水準まで戻らない現象が発生した。
国際的には、若年層の失業率がそれ以上の世代の失業率よりもどのぐらい多いかが、雇用状況を示す目安にされることが多い。若年層の失業率がそれ以上の世代の失業率の2-3倍ならば、正常あるいは健全な状態とされ、3-4倍では高い水準であり、4倍を越えた場合には警戒が必要とされる。
中国ではこの比率が21年より前にはおおむね2-3倍の範囲内にあった。21年には3.2倍、22年には3.7倍にまで上昇した。23年3月には、統計のある18年以降で最も高い4.6倍に達した。なお、国際労働機関(ILO)が調べた世界各国の事例によると、若年層の失業率が年配層の失業率を大きく上回る状態になった場合、経済情勢が好転しても倍率が小さくなるには時間がかかるという。
一方で景況が悪くて企業が人員整理をする場合には、まず新規募集を停止して、さらにベテランや管理能力を備えた職員を確保して、新入社員を解雇する現象が発生する。
就職できなかったり解雇された若年層には「心の傷の影響」が生まれた可能性もある。仕事のない状態を恐れ、給与水準が少なかったり安定しない雇用契約でも受け入れる傾向が発生する。その結果、若年層の雇用状況がさらに悪化する恐れがある。
また、本稿で論じることができたのは都市部における状況だけだ。農村部の若年層の就業状況は明らかにされていない。いずれにせよ、若年層の就業を促進するためには、失業の構造的要因を分析して、可能な限り早急に有効な就業支援や促進措置を打ち出す必要がある。(翻訳・編集/如月隼人)
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