2023年5月8日、中国メディアの観察者網は「中国と競争？」と題し、米国が中東地域での鉄道網建設提唱の準備を進めていることを、米メディアの報道を引用する形で報じた。

記事は、米ニュースサイトAxiosが米国時間7日に報じた内容として、13日にサウジアラビアを訪問するジェイク・サリバン米大統領補佐官（国家安全保障担当）が14日にサウジアラビア、アラブ首長国連邦（UAE）、インドの国家安全保障担当者と会談し、アラブ諸国から湾岸地域までの鉄道網を作り、そこからインドへと繋がる海上航路を構築するプロジェクトなどについて話し合う予定だという米政府消息筋の話を紹介した。

そして、この鉄道プロジェクトについて、中東地域の戦略的インフラプロジェクトの議論を目的として米国、インド、イスラエル、UAEが21年10月に立ち上げた「I2U2」の昨年7月の会合で提起されたものであり、バイデン米大統領は近ごろこのプランを拡大してサウジアラビアも組み入れたと説明。サリバン補佐官が今月4日に米シンクタンクで講演した際にもこのプロジェクトについて暗示し、「今後数カ月で興奮すべき新たな措置が講じられることを期待している」と語ったことを伝えている。

また、サリバン補佐官が講演の中でバイデン政権の中東戦略についても言及し「一層一体化した相互連携のある中東が、われわれの盟友やパートナーの力を強め、地域の平和と繁栄を促す」と述べたことを紹介した。

記事は、Axiosが米政府の動きについて「中東は中国の『一帯一路』戦略の要所。ホワイトハウスはこのプロジェクトによって中東地域での影響力を強めたい考えだ」と分析したことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）