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ファーウェイはドイツで9日、携帯電話「P60」シリーズを発表した(写真)。同社が携帯電話関連で海外での大型発表会を開催するのは約4年ぶりだった。それ以外の国でも順次、発表会を開催していくという。
中国メディアの界面新聞は、華為技術(ファーウェイ)がドイツのミュンヘンで9日に携帯電話「P60」シリーズを発表した話題を紹介した。ファーウェイが携帯電話関連で海外での大型発表会を開催するのは約4年ぶりだった。
欧州はかつて、ファーウェイにとって極めて重要な市場であり、ファーウェイはスマートフォンの新たな主力商品を、中国国内より早く欧州で発表していた。しかし、米国などによる制裁と新型コロナ感染症の影響を受け、ファーウェイは携帯電話の販売の重点を中国国内に戻した。
ファーウェイにとって重大な変化が発生したのは2019年だった。同年第1四半期(1-3月期)に、同社製携帯電話の欧州における市場シェアは第1位のサムスンに次ぐ約20%だったが、米国政府がファーウェイに対する制裁を発動したことに伴い、グーグルがファーウェイとの関係を断った。ファーウェイの携帯電話はその後もグーグルが開発したアンドロイドOSを使い続けることはできたが、グーグルモバイルサービス(GMS)を使用することは出来なくなった。
GMSには、グーグルマップ、Gメール、検索、ユーチューブ、アンドロイドのアプリケーションストアなどのサービスだけでなく、開発者向けに提供されるGMS(GMS Core)コアも含まれている。携帯電話にGMS コアがインストールされていない場合、GMS コアを利用して開発されたアプリケーションを利用することもできない。
中国国内ではGMS Coreに関連しないアプリケーションが普及しているために影響が少なかったが、ファーウェイ製携帯の海外での販売は打撃を受けた。海外のユーザーにとって、GMSと切り離された携帯電話は利用できる機能が極めて大きく制限されてしまうからだ。
ファーウェイは代替機能を実現するために、9カ月間の「開発大激戦」を経て、自社のモバイルサービスである「HMSコア(HMSコアCore)」を発表した。HMS Coreの開発と提供には、海外のソフトメーカーにファーウェイ製携帯電話に対応したソフトを開発してもらうことで、HMSの弱点を補完する狙いもあった。
界面ニュースの取材に応じたファーウェイに近いある人物は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れたことに伴い、ファーウェイは海外各地での製品発表を再開すると語った。華為は近日中に、中東・アフリカ、アジア太平洋、中南米でも発表会を順次実施するという。
ただしグーグルは現在のとこファーウェイに歩み寄っておらず、ファーウェイはHMSコアを引き続き推進していくという。海外版P60シリーズでは、海外ユーザーの使用習慣に配慮してファーウェイが独自に開発したハーモニーOSではなく、アンドロイドをベースにファーウェイが開発したEMUIを搭載する。
ファーウェイの端末ビジネスグループの何剛COO(最高執行責任者)は今年3月、取材に対して「ファーウェイはこの数年で、1万3000種以上の代替デバイスや代替部品を開発するなど、多くの困難を克服してきた」と述べた。部品などの供給面が安定を取り戻すにつれ、ファーウェイの製品発表のペースもすでに正常に戻っているという。何COOは、「ファーウェイは市場の最前列に戻ることを目指す」と述べた。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケットリサーチによると、ファーウェイの第1四半期の中国国内出荷台数は前年同期比41%増で、市場シェアは昨年の6.2%から9.2%に上昇した。ファーウェイは同期、中国では唯一のプラス成長を実現したブランドだった。
ある関係者は界面新聞に対して、「昨年の欧州スマホ市場は全体的に低迷したために、OPPOもvivoもそれなりに後退した。このことはファーウェイに、欧州市場に復帰するチャンスを提供した」との見方を示した。GMSの欠如は海外市場においてファーウェイ製携帯電話にとっての大きな制約だが、ファーウェイは「市場の最前列に戻ることを目指す」以上、それにふさわしい存在感を取り戻し始める必要がある。(翻訳・編集/如月隼人)
高野悠介
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