Record China 2023年5月17日(水) 7時0分
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華字メディアの日本華僑報は15日、「日銀新総裁は日本経済を救えるのか」とする記事を掲載した。
記事はまず、元日銀審議委員で東京大学名誉教授の植田和男氏が4月9日付で日銀の新しい総裁に就任したこと、学者出身の総裁は戦後初めてであることなどに言及し、「昨年12月時点では植田氏は新総裁候補の本命とみられておらず、山口広秀元副総裁、中尾武彦元財務官、中曽宏元副総裁、雨宮正佳副総裁の4人の中から選ばれ、中でも市場からの期待が最も高かったのは雨宮氏だった」とした。
記事は、「さまざまな憶測が飛び交う中、日本政府は新総裁選任に二つの条件を提示した」とし、一つは「日本の金融政策の正常化を段階的に実現できること」であり、もう一つは「硬直化する日銀の金融政策に一定の柔軟性と機動性を回復できること」だとした。
記事は、「経済学の専門家である植田氏が日銀総裁に就任して早いもので1カ月が経過した」とし、4月の初の金融政策決定会合から判断すると、植田氏は「安全優先」の出口戦略を選択したと指摘。「典型的なのは、2%という緩やかなインフレ率の長期的リスクと比較して、政策見直しにより2%という緩やかなインフレ率を達成できないリスクの方が大きいと植田氏が考えていることだ。これが誰の視点なのか部外者には知るすべはないが、植田氏が政策委員会全体の雰囲気に影響を受けたことは分かる。インフレによる国民生活への影響については、会合全体では言及されなかったが、これは日本人が最も身近に感じている部分でもある。上記の事実から分かるのは、植田氏は果断な意思決定に欠け、政策の時期をコントロールする能力については留意する必要がある」とした。
金融政策の正常化については、「植田氏は学者としての気質が強すぎる」とし、「先入観を持たず、多角的な視点で過去の金融政策を検証・研究し、金利水準の引き上げには慎重な姿勢が必要と考えているようだ」と指摘。長短金利を操作するイールドカーブコントロール(YCC)政策についても「修正する必要はないと考えているようで、これは間違いなく市場に対する裏切りであり、いささか逆行するような感覚だ」とした。
記事は、植田氏がなぜ上記のような選択をしたのかについて、「おそらく3月の米国における銀行破綻の波も外部要因ではあるが、やはり主なのは内部要因だ」と指摘。「他の政策委員がメディアのインタビューで述べたことから分かるのは、植田氏が委員の意見に懸念を抱き、日銀の事務部門からの影響やアベノミクスの政治力学からの圧力も感じられる。日本の現在のリズムに従えば、データ上は安定的に2%のインフレ率を達成することは可能だが、この緩やかなインフレの現れが、内生的経済成長による緩やかなインフレであるかどうかは、検討が必要な問題だ」とした。
記事はまた、「投資界がより注目しているのは、新任の役人にたいまつを燃やすほどのエネルギーがないという現象が、日本の金融政策正常化の時期を逃す可能性があることだ。就任時に政策変更を提案しておかないと、後から政策を修正するのは難しくなる。外部環境の観点からは、米国が利下げを発表すると、その時点で日銀が政策を修正することはさらに困難になる」とした。
記事は、5年の任期については、「長くもあり、短くもある」とし、「スタート段階で安全優先の戦略を選択するのは非難するほどのことでもないが、長年実務から離れていた新総裁としては、かかとをしっかり下ろして立つ時間が必要だ。植田氏がこうした熱くもなく冷たくもない日本の金融政策を変えないのであれば、5年の任期では何の問題も解決しない可能性が高く、5年後には後悔を残して退任するほかない。71歳と高齢の植田氏にそのような期待や要求は厳しすぎるかもしれないが、日本経済のかじ取りとしてこれらの問題に直面せざるを得ない」とした。(翻訳・編集/柳川)
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