Record China 2023年5月21日(日) 12時0分
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中国でクリーンエネルギーの水素を動力源として実用化する取り組みが加速。北京市は水素燃料電池車バス10台を正式な路線バスとして投入し、上海市では水素動力列車が公開された。写真は水素動力列車。
中国でクリーンエネルギーの水素を動力源として実用化する取り組みが加速している。北京市は水素燃料電池車バス10台を正式な路線バスとして投入。広東省は内燃機関利用の商用車や特殊車両の代替として電気自動車(EV)や水素自動車の実用化を推進する計画を発表した。上海市では水素動力列車が公開された。
水素を使う燃料電池自動車(FCV)は水素と酸素の化学反応を利用するため、最終的に排出されるのは水。「炭素排出ゼロ」が最大の長所だ。
AFP通信が紹介した中国国際テレビ局(CGTN)の電子版によると、2022年の北京冬季五輪では約1000台の水素FCVが使用された。これほど大規模な水素FCVの試験運用は、世界で初めてだった。
水素FCVは現状では、普通の電気自動車より30%から50%ほど高価だが、上海、重慶、河南などの中国各地では、水素FCVの産業発展を推進するために、高額の補助金を拠出するなどの関連政策が打ち出されている。
中国では現在、水素FCVは主にバスや物流用自動車、大型トラックなどの商用車に使用されている。水素FCVの乗用車には材料と部品の効率が悪く、寿命が短いなどの業界全体にとっての技術的難題が存在する。
この問題について、自動車製造の老舗大手の国第一自動車や中国政府が設置した自動車技術研究開発会社である中国自動車工程研究院など10社は、技術上の難関を突破するプロジェクトを実施。動力密度と動的性能が高く、低温でも急速始動が可能で寿命が長い乗用車用の燃料電池やエンジンの開発に取り組んでいる。
中国水素エネルギー連盟の分析によると、中国における水素エネルギー利用率は2050年までに、エネルギー利用の最終段階において少なくとも10%に達し、水素需要量は6000万トン近くに達する。
一方、水素動力列車は上海世博展覧館で10日に行われた2023年中国ブランドデーのイベントで公開された。最高時速が160キロで、600キロの超長航続距離を実現可能とされ、デジタル化とスマート化を兼備しているのが特長だ。
最新の自動運転技術を採用。自動ウェイクアップ、自動発停、自動車庫移動などのスマート機能があり、列車対列車通信システムの導入により、車両制御プログラムが健全化され、列車運行の効率と安全性、信頼性が大幅に向上している。
列車には複数のスマート検知システムと数千のスマートセンサーが設置されており、随時に自動点検し、水素貯蔵システムや水素燃料電池システムを自動的にモニタリング、コントロール、点検、メンテナンスが可能。走行中の水素システムの安全性と信頼性が確保されているという。(編集/日向)
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