ここ数年、中国では首都北京の周辺にある多くの都市が「北京から1時間以内の交通圏」に続々と加わっている。北京で働き、周辺都市に住むという乗客は、高速鉄道によって働き方や暮らし方が変化し、高速鉄道の高速、良質、安全性、便利さを身をもって感じている。

北京・天津・河北の「1時間交通圏」はますます密に

天津に住む女性の王さんは北京・西単にある会社で働いている。毎朝6時10分に家を出て、天津駅6時38分発の「C2004号」に乗車し、7時8分に北京南駅に到着すると、地下鉄4号線に乗り換えて西単に行くことになっている。 王さんは、「私の生活は高速鉄道なしではあり得ない。高速鉄道があるので北京で働きながら1時間で天津の家に帰ることができる。高速鉄道は必要不可欠なものになっている」と笑顔で話した。

今では、河北省の涿州市や廊坊市など北京の周辺都市には、王さんのように毎日高速鉄道に乗って自宅と北京を往復する若者が数多くおり、「二都市生活」が現実のものになった。

中国初の高基準、設計速度350km/hの高速鉄道として、北京と天津を結ぶ京津都市間鉄道は2008年8月1日に開業して以来、両都市の時間的・空間的距離を大きく縮めてきた。現在、北京南駅から天津駅までは最短でわずか30分となり、天津市の武清駅までなら最短で21分しかかからない。

ここ数年、京張高速鉄道、崇礼鉄道、津秦高速鉄道、京哈高速鉄道京承区間、京雄都市間鉄道、京唐都市間鉄道などが相次いで完成して開通し、河北省と北京・天津エリアを結ぶ鉄道路線は25本になり、鉄道で結ばれる北京・天津・河北の主な枠組みがほぼ完成した。

天津だけでなく、北京から河北省の大半の地級市（省と県の中間にある行政単位）までの乗車時間が最短で1時間以内になっている。北京で高速鉄道に乗ると、廊坊へ21分、張家口へ48分、承徳へ52分、石家荘へ1時間で到着する。

北京で高速鉄道に乗ると、全国各都市に行けるように

内モンゴル自治区フフホトに実家がある李さんは、金曜日の仕事が終わって夕食を食べた後、北京の清河駅で京張高速鉄道「G2475号」に上り、2時間18分後にはフフホト東駅に到着する。「これまでは9時間以上列車に乗らないといけなかったので、半年に1回しか帰省できなかったが、今は両親の顔を見ようと思えば、いつでも出かけられる」と話す。

家が上海にある劉さんは、北京でインターネット会社を経営し、週末になると上海に戻るようにしている。劉さんは、「これまではいつも飛行機で上海に帰っていたが、今では真っ先に高速鉄道を選ぶことにしている。というのも、最短で4時間半しかかからないからで、車内で仕事ができることが一番大事だ」と話した。

今では、李さんや劉さんのように、毎日数多くの「鉄道ファン」が高速鉄道に乗って、全国各地を縦横に駆け巡っている。

北京で高速鉄道に乗れば、国内のほとんどの省都都市に直通で行くことができる。現在、最短の場合、北京から山東省済南市への所要時間は1時間22分となり、河南省鄭州市は2時間11分、遼寧省瀋陽市は2時間44分、江蘇省南京市は3時間13分、湖北省武漢市は3時間48分、陝西省西安市は4時間11分、黒竜江省ハルビン市は4時間51分、湖南省長沙市は5時間16分だ。

高速鉄道は時間と空間の距離を縮め，距離がもはや問題にならなくなった今、思い立ってすぐに旅行に出かけることが日常になった。北京を高速鉄道で出発した乗客は、その日のうちに山東省済南市で趵突泉を観光したり、山西省大同市で雲岡石窟を眺めたり、河南省鄭州市で胡辣スープに舌鼓を打ったりでき、そしてその日のうちに北京に帰れるようになった。（提供/人民網日本語版・編集/KS）