国宝の石経が1万4278枚残る北京の雲居寺―中国

人民網日本語版    2023年5月19日(金) 14時30分

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北京市西南部に位置する房山区の白帯山には隋の末期から唐の初めにかけて創建された1000年以上の歴史を誇る雲居寺がある。そこには刻造された石経が計1万4278枚現存している。

北京市西南部に位置する房山区の白帯山(石経山)には、隋の末期から唐の初めにかけて創建された1000年以上の歴史を誇る雲居寺がある。そこには、刻造された石経が計1万4278枚現存している。中国で現存する石経としては最大の規模を誇る。5月18日が国際博物館の日であるのに合わせて、雲居寺・石経博物館を取材し、1000年以上の歴史を誇る石経文化を通して、この「中国北方エリアの大きな寺」の独特の魅力に迫った。人民網が伝えた。

約1400年前の隋の時代の末期、僧・静琬は仏教の正しい教えである「正法」を守るべく、弟子と共に白帯山で仏経を石に刻んだ。そして、山の石を掘って石室を造り、石経を保存し、山のふもとには寺を創建した。「経典を守るための寺で、経典により貴重さが増した寺」というのが雲居寺の最大の特徴だ。その後、繁栄と衰退を繰り返し、何度も修繕され、敷地面積約7万平方メートルの今の大きな寺院となった。石経のほか、雲居寺には、明代の紙経や清代の木経、さらには唐代の塔や遼代の塔など合わせて10座以上が現存しており、「北京の敦煌」と称されている。

房山石経は現在、2カ所に分けて保管されている。1万82枚は、雲居寺において温度や湿度が最も安定している地宮に、4196枚は石経山の石を掘って造られた石室に保管されている。そのうち、一番早い時期に造られた「雷音洞」は現時点で唯一公開されている石室となっている。

石経は、仏教や文化財、文学、書道、歴史、地理といった面で、重要な研究価値があり、中華民族の文化の宝であると同時に、極めて貴重な世界文化遺産でもある。

2013年から、雲居寺・石経博物館が企画する「中華文化の奇跡——北京房山雲居寺歴史文化展」が中国各地だけでなく、ドイツやミャンマーといった海外でも開催されている。博物館は現在、イタリアで文化交流活動を展開する計画を立てているという。

イタリア・ミラノで開催が予定されている展示イベントでは、雲居寺の石経の歴史を主線に据え、その拓本やパネル、説明文、シーン、撮影作品といったさまざまな形式を通して、雲居寺の奥深い歴史・文化遺産、1000年以上の歴史を誇る石経文化を紹介することになっている。また、VRゴーグルを着用して雲居寺に「ワープ」し、清代の「龍蔵」木経板を印刷するという、中国で長い歴史を誇る伝統的な印刷技術を体験できるインタラクティブエリアも設置される予定だ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)




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