人民網日本語版 2023年5月19日(金) 16時30分
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上海ではコーヒー業界が長きにわたってはつらつとした生命力を示してきた。コーヒー文化はこの都市の生活スタイルにもなっている。
上海ではコーヒー業界が長きにわたってはつらつとした生命力を示してきた。コーヒー文化はこの都市の生活スタイルにもなっている。
170年前――1853年に、英国の薬剤師のJ.ルウェリン(J.lewellyn)が上海にコーヒーを持ち込み、薬局で売り出した。当時の上海市民はこの酸味と苦味のある茶色い液体を「咳止めシロップ」と呼んでいた。
1866年、上海初のカフェ「虹口珈琲館」がオープンし、主に船員を相手に営業し、コーヒーだけでなく各種ビールも提供した。
1958年、上海のコーヒー文化にとって重要な節目だ。この年、上海で「上海牌珈琲」というブランド製品が誕生した。
2000年5月、スターバックスが淮海中路に上海1号店をオープンした。22年後、上海は世界で初めてスタバ店舗が1000店を突破した都市になった。
2018年元旦、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)が上海でテスト営業を開始した。4年後には、上海市内の店舗は600店を超えた。
「上海概覧2023」によると、2023年4月末現在、上海にはカフェが8000カ所以上あり、世界一となり、ニューヨーク、ロンドン、東京などの大都市をはるかに上回っている。上海では1平方キロメートル当たりカフェが1.3店あり、人口1万人当たりのカフェ店舗数は3.16店になるという。
カフェは消費の場所であるだけでなく、上海という都市の文化的なぬくもりを伝え、人々が社交やビジネスを展開する「第二の応接室」になっている。
コーヒーを通じて、上海の力強い消費力をうかがうことができる――中国の年間一人当たりコーヒー消費量は4~5杯ほどであるのに対し、上海は20杯を超えている。コーヒーを通じて、上海の力強いオリジナリティーをうかがうこともできる――上海の数多くのカフェの中で、こだわりのカフェと独立系カフェが55.88%を占めている。
コミュニティの公共スペースに融合する小規模カフェ、障害者のスタッフが運営の中心を担う「熊の手カフェ」、認知症の高齢者のために設立した記憶カフェなど、上海のーカフェは多様的で包摂性がある。
同済大学経済・管理学院の諸大建教授(博士課程指導教員)は、「上海でコーヒーを飲む時は、どこでも同じような味ということはない。上海でカフェを運営するのは、一番手としての特色を作り出している。これこそが上海コーヒーのイノベーション精神だ」と述べた。
上海は2035年に、人々から憧れられるイノベーション都市をほぼ完成させることを目指している。コーヒー文化からちょうどこのようなイノベーションをうかがうことができ、「コーヒー+起業」「コーヒー+パーク」など、「+」マークには上海独自のイノベーション要素が含まれる。
注目されるのは、上海コーヒー文化の高まりが「新消費による内需の拡大、産業高度化の牽引」という発展ルートを探り出したことだ。上海は中国国内で雲南コーヒーの消費意欲が最も高い都市で、雲南コーヒー商品の大幅な高質化をもたらした。
2016年、黄浦江のほとりで第1回陸家嘴金融城コーヒー文化フェスティバルが行われ、オープンカフェイベントの概念が初めて上海に持ち込まれた。2023年春には第7回が開催され、同フェスは全国で最大規模、最多開催数のコーヒーイベントになった。参加ブランド数は第1回の24から213に急増し、全国のコーヒー業界従業者とコーヒー愛好家が参加した。
同フェスの開催責任者は、「(このフェスティバルは)上海のコーヒーのお祭りから、中国のコーヒーと世界をつなぐ窓口になった」とした上で、「陸家嘴コーヒー文化フェスティバルが中国の対外開放の窓口である陸家嘴で始まったのは、上海に伝わるコーヒーの遺伝子を土台にして浦東と上海の開放の精神、イノベーションの精神を受け継いだということでもある」との見方を示した。
ますます多くのコーヒー製品・ブランドが、中国国際輸入博覧会および「6+365」常設展示取引プラットフォームを通じて上海に進出するとともに、長江デルタさらには中国全土の1000億元(約2兆円)規模のコーヒー市場へと広がりつつあり、上海は名実ともに「世界的なコーヒーの中心地」になった。
世界のカフェブランドが上海1号店を相次いでオープンし、上海の現地カフェブランドは次々に世界に進出して市場開拓を進めており、コーヒーを媒体として、上海の開放のシンボルが積極的に世界を受け入れている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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