中国の自動車輸出が日本を抜き世界一、しかし先を見据えておく必要がある―中国アナリスト

Record China    2023年5月23日(火) 8時0分

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19日、環球時報は、中国の自動車輸出が急速に増える中で「遠い先を見据える必要がある」とする自動車業界アナリストの文章を掲載した。写真は上海のBYD売店。

2023年5月19日、環球時報は、中国の自動車輸出が急速に増える中で「遠い先を見据える必要がある」とする自動車業界アナリストの文章を掲載した。

文章は、今年1〜3月の自動車輸出台数で中国が日本を上回って世界一となり、1〜4月の自動車輸出台数が前年同期比89.2%増の137万台、輸出額が同2.20倍の2045億3000万元(約4兆円)に達したことを紹介した。

そして、中国国内市場が飽和状態となり、内部競争がますます激化して悪質な価格競争が時として生じる状況の中で、余った生産能力を海外市場に向けることは企業の生産能力を保ち、サプライチェーンを維持し、雇用の安定や国内総生産(GDP)の成長に貢献するなどメリットが多く、長期的に見て中国の大手自動車メーカーが生き残り、発展していくために避けて通れない道であるとした。

その一方で、中国は年間の実績でも世界一の自動車輸出大国となる可能性が高いものの、表面的な部分だけを喜ぶのではなく、より専門的、理性的な認識が必要だと指摘。日本やドイツなどの自動車先進国が持つグローバル経営レベルに比べると、中国メーカーは初歩段階にとどまっているとし、1950年代から設計や企業の枠組みのローカライズに取り組み、高い経営のクオリティを実現するとともに現地社会に融合してきた日本やドイツなどの自動車先進国のレベルに、中国企業が到達するにはなおも遠い道のりが必要だの認識を示した。

また、輸出は自動車産業の発展に一定の効果があり、国際化という点でもよい選択であるものの「最適解ではない」とも指摘。自動車製造大国を始めとする先進国への輸出ではさまざまな障壁に直面することになるとし、日本や韓国が大規模な海外進出を始めた際にも同じように先進国の壁にぶち当たり苦しんだ経緯があると説明。このため現在では多くの多国籍企業が「単に輸出だけでは立ち行かなくなり、現地社会において経済的なウインウインを実現することは不可能」と認識し、ローカライズを進めているのだと伝えた。

文章はその上で「わが国の自動車輸出が急速に増加しているのは間違いなく良いことではあるが、やがては天井板にぶつかり、副作用が徐々に露呈することになる」とし、中国メーカーは単純に輸出量を増やすことに力を注ぐのではなく、バリューチェーンにおける現地の産業と利益のシェア、現地の経済や文化との融合を実現するための戦略づくりを進めるべきだとの見方を示している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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