中国では最近、「悩みを忘れることができる」を売り文句とした「ストレス解消グッズ」が人気を集めている。例えば、ハンドスピナーが数カ月連続で各大手ECプラットフォームの人気ランキングのトップになっているほか、フルーツをカットしたり、絨毯を洗ったりするショート動画の再生回数が1億回を超えたりしている。おもちゃからショート動画に至るまで、ストレス解消グッズが今、トレンドとなり、都市の若者の間で流行している。経済日報が伝えた。

ストレス解消グッズというのは、新たな概念とはいえない。実際には、ほとんどの人が子供の頃に、ルービックキューブやスライムなどで遊んだことがあるだろう。ただ、インターネットやショート動画が登場したことにより、こうした商品が、より広範囲に広がって、再び人気を集めるようになっている。市場をよく観察している業者はこの商機を逃さず、多種多彩な、クリエイティブで、目新しいグッズを次々と打ち出している。こうした商品は若者の注目を集めることに成功し、若者はこれらを心を癒してくれる「ストレス解消グッズ」と見なすようになっている。

ストレス解消グッズの魅力とは、若者が追い求めるリラックス体験にある。なかなか寝付けない若者は夜中の2時に「絨毯を洗う」ショート動画を見たり、いろんな遊び方があるハンドスピナーをいじりだしたりすると、あっという間に時間が過ぎていくという。あるネットユーザーはソーシャルメディアで、「生活のリズムが速く、競争のプレッシャーも大きく、なかなか気持ちが休まらないので、頭の中を空っぽにして、気持ちを落ち着かせたい。ストレス解消グッズを使うと、リラックスして心地よくなる。ストレス解消やイライラ解消の効果はとても高い」と書き込んでいる。

一方で、「不安商法」ではないかと心配する人もいる。しかし、今の若者は仕事や恋愛・結婚、勉強といった面で大きなストレスを抱えていることも軽視できず、ニーズがあるからこそ市場が成り立っている。若者がストレスのはけ口を必要としているのであれば、バラエティーに富んだストレス解消グッズやサービスはまさにそのはけ口となる。今の若者は、自分の心理的欲求を満たしてくれる商品なら、進んで財布のひもを緩める。盲盒（ブラインドボックス）やトレーディングカードが大人気となったのを見ると、期待や満足感、幸福感といったポジティブな感情を与えてくれる商品は付加価値が高まり、1000億元（約2兆円）規模の市場すら数多く誕生している。若者の心理的欲求には、巨大な商機が潜んでおり、工夫を凝らして、新しいアイデアに勇気をもってチャレンジすることができれば、その商機をつかむことができるに違いない。（提供/人民網日本語版・編集/KN）